現代の名工Navi
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建築板金工
大月 信雄(おおつき のぶお)
88歳
就業地: 東京都

受賞年度
2023年
所属
大平板金工業
プロフィール
中学卒業後に東京の定時制高校の機械科へ進学した。定時制高校に通いながら、昼間は父が営む建築板金業の職に就いた。父親や諸先輩から教わった技能と、学業で習得した技能も交えて、板金技術に応用し、様々な社寺仏閣の銅板屋根工事を施工してきた。銅板加工を得意とし、銅板加工研究会など後進の指導に精力的に励んでいる。
※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。
技能の紹介
建築板金工として長年従事し、培った知識と技能においては、特に鬼板制作技能に優れている。鬼板制作技能は、極めて複雑かつ繊細な造形を総手打ちで行う為、熟練の技を必要とする。また、国や東京都等による各種ものづくりイベントで実演展示体験教室等を行うとともに、若手技能者にも実演や指導の場を与え技能の向上を図り、建築板金の素晴らしさを周知するなど、業界の発展や技能振興に大きく貢献している。

仕事に対する思い
私がこの職を始めた頃の材料は、平板の亜鉛鉄板が主でした。その後、長尺(コイル状)の亜鉛鉄板、そしてカラー亜鉛鉄板になっていきました。その様な材料に対応できるように、道具や成型機械、電動工具も必要となりました。また作業場も必要になり練馬区内に小規模ながら作業場も作りました。長尺成型材の運搬が難しい時は、成型機を運び現場成型もしました。こうして、工場や体育館の屋根の施工数は20数カ所になります。近年はガルバリウム鋼板という新しい材料が出てきました。成型材も、縦葺きや横葺き等様々な屋根材が開発され、これからの板金業界も多忙を極めると思います。

名工からのメッセージ
社寺仏閣、屋根飾り工事など、復元工事等について、明治生まれの先輩方より技術を教わりました。銅板屋根工事、緑青銅板加工技術、銅板打ち出し加工技術、銅板松やに工法(家紋作り)、これら諸先輩方の技術を伝承し、また新しい物作りに生かしていきたいと思っています。今後の目標として、手道具作り物作りを、もっと進めていきたいです。
この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など
東京都板金工業組合 建築板金職業訓練校
東京都板金工業組合 技能士会
東京都板金工業組合 銅板加工技術研究会
これまでの主な表彰歴
〈知事・行政機関の局長表彰等〉
・東京都功労者東京都知事表彰 特に優れた業績について表彰(平成15年10月)
・優秀技能者東京都知事表彰 優秀な技能について表彰(平成10年11月)
〈全国レベルの業界団体表彰等〉
・(社)日本建築板金協会会長表彰 業界の向上発展に尽力した功労について表彰(平成12年6月)
〈その他〉
・(一社)東京都技能士会連合会会長表彰 技能士会の組織拡充及び発展に尽力について表彰(令和2年6月)
・東京都中小企業団体中央会会長表彰 組合並びに組合員の向上発展に寄与について表彰(平成13年10月)
受賞歴
厚生労働省「ものづくりマイスター」 平成25年度 認定 建築板金職種
全技連マイスター 平成29年度 認定 建築板金職種