基礎を徹底した個別指導が
社員の技能レベルを底上げする
現場目線で「図面」の読み書きの技能を習得し、関連業務に活かす
今回のプログラムでは基礎からの指導を依頼されたとのことでしたが、具体的にどのような指導を行いましたか。また、受講した皆さんはどのようなことをきっかけに、受講をしようと思ったのか教えてください。
宮内 機械製図における図面とは、「伝えること」を目的としたコミュニケーションのツールであると考えています。我々が普段使用している言語と同じで、図面にも例えば外形は「太い線」を使う、隠れたところは「破線」を使うなど、線の種類と用途には決められたルールがあります。これらはすべてJIS(日本産業規格)に定められていますが、業務を行っていると曖昧に理解していることがあり、このルールがないがしろにされてしまうことも多々あります。そのため今回は、このような図面を描き、読むためのルールの浸透と理解を第一に考えました。
高田 私はこれまで、書籍などを用いて自主的に図面の読み方を勉強していました。しかし、本に書いてある例題は実際の現場で私たちが使っている製品とも異なり、そのまま応用するには問題が多くありました。折角勉強をしても結局何をしてよいか分からないということもあり、今回図面の読み書きを教えてくださると聞き、受講しようと思いました。
浅野 受講前にも、図面と呼べるものではありませんでしたが、簡単なスケッチを描いて、それをもとに製品を作るという経験は何度かありました。今回の実技指導で読み書きをはじめとする、機械製図の基礎をご指導いただけると聞き、自身のステップアップと技能の向上を目指して受講を決めました。
村上 私はマイスターの指導を受ける前は、社長の指示に従って作業を行うだけで、図面を見る機会はほとんどありませんでした。そのため受講前は、知識がまったくない自分が本当に図面の読み書きができるようになるのか不安がありましたが、指示されたことをこなすだけではなく、自身で考えて取り組むきっかけになればと、受講することにしました。
失敗も経験しながら技能の向上を目指す
宮内マイスターが、指導にあたって大切にしたことを教えてください。また、受講者の皆さんはどのような指導が印象に残っていますか。
宮内 今回の指導では、どのようにしたら受講者の皆さんが成功と失敗の両方を経験し、今後の技能向上に活かすことができるかということを念頭に置きました。機械製図というものは、毎回異なる図面を引く必要があります。そのため簡単な練習を繰り返すだけだと、成功する楽しさや充実感を知ることができる反面、大事な場面で大きな失敗をしてしまう危険性があります。実際の業務で大きな失敗をする前にたくさんの経験を積んでもらえるよう、あえて「失敗してもいい」環境を作りながら、指導を行いました。
高田 私が最も印象に残っていることは、CADを使用した一連の実技指導です。始めに図面の読み書きについて教えていただいた後に、弊社の製品について、改めて自分たちで図面を引くということを行いました。CADは現場でも最も活かせる技能で、なにより弊社の製品の図面を引くとどうなるか、ということを学べたことは興味深いものでした。
浅野 宮内マイスターは我々にいつも真摯に接してくださいました。ご指導の際には、「なぜそうする必要があるか」という背景理由から教えてくださったため、今ではどんな作業でも意味を理解して取り組むことができるようになりました。
村上 宮内マイスターのご指導により、取引先の企業の方と図面を見て打ち合わせを行えるようになったことは私にとって大きな進歩です。これまで図面を見たことすらほとんどなかった私が、図面から立体の完成像をイメージできるようになりました。自分がこのように成長できるとは予想していませんでした。
この世にまだないものを作り出せる機械製図の魅力
宮内マイスターの考える機械製図の魅力を教えてください。また、受講者の皆さんは今回学んだことをどのように活かしていきたいとお考えですか。
宮内 機械製図の一番の魅力は、まだこの世にないものを作り出すことができるという点にあります。受講者の皆さんには是非、この魅力を実感できるまで技能を磨いてほしいと考えています。また、より良いものを作るためにも、先入観や個人的な感情を抜きにして「客観的に製品を見る目」を養ってほしいと思っています。機械製図は手書きからCADの利用と、手法自体は変化しているものの、製品を大量にかつ同じ品質で作るための唯一の方法ですから、今後もニーズが高いスキルだと思います。受講者の皆さんには将来を心配することなく、あらゆる変化に対応しながら未来に向けて技能を磨いていってほしいです。
高田 これまでは取引先のお客様や社長の製作した図面に誤りがあったとしても、それを読めなかったため気付くことができませんでした。しかしマイスターのご指導を受けた今は、そういったミスに事前に気付くことができ、トラブルの未然防止にも役立っています。今後は図面を読むスキルだけでなく、自分自身でも図面を引き、製品をお客様にお届けできるようになりたいと思います。
浅野 弊社の工場は、3人程の少ない人数で回しています。規模が小さいということは、私が技能を向上させれば、会社の発展に直接繋がるということでもあると思います。今後は、宮内マイスターの指導から学んだことを活かし、会社とともに成長していきたいです。具体的な目標としては、現場に出た際に図面を見て指示を出したり、取引先からの質問にもその場で対応できるようになりたいと思います。
村上 今回の実技指導を通して、CADの使い方をある程度理解できるようになりました。今後は、お客様のニーズを図面に反映させられるようになりたいと思います。実際に図面を引くことができるようになれば、自分にとってはもちろん、会社にとっても大きなメリットになると信じています。
株式会社ダードリー
製造技術主任
高田
恭平
さん
株式会社ダードリー
製造品質管理主任
村上
大心
さん
株式会社ダードリー
製造施工テント・リース担当
浅野
雄一
さん