合格者の声 印章彫刻技能士(木口彫刻作業)1級取得 三好 一朗さん

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印章彫刻技能士(木口彫刻作業)1級取得 三好 一朗さん(はんのミヨシ)

受検するきっかけ

画像:合格者の声

 大学時代は工業大学で金属関係の勉強をしていましたが、私は1人っ子なので、子どもの頃から徳島にある実家のハンコ店を継がなければいけないという気持ちが常に頭の片隅から離れませんでした。大学2年生の時に実家が隣のビルを購入し、大規模に生産できるよう事業を拡大したことを機に、家業を継ぐ決心をしました。
 そのため、大学を卒業してから3年の間、大阪のハンコ店で住み込みの修行を積んだ後、実家に帰ってきました。こうして何年か家業に励みながら、技術を磨いていたところ技能検定という技能レベルを評価する試験があることを知り、父親の推薦もあって、よし受けてみようと思い立ちました。

合格に向けて取り組んだこと

 店での通常の作業手順は、字入れを手で行い、印章を彫る時には手彫りではなく機械を使い、仕上げは再び手作業で行っていました。しかし、受検をしようと決めてからは全て手彫りに切り替え、日々の業務を通して練習を積み、技能の向上を目指しました。
 その努力の甲斐もあって、1級を受検したときには2級の時以上に、自信満々で臨むことができました。1級の試験を余裕を持って楽な気持ちで受けることができたのは、やはり普段から検定試験という目標に向けて手彫りの仕事を意識し、励んだことが大きな力になったのは間違いないと思います。十分に準備をしていないと試験当日だけいくら頑張ったところでどうしようもありません。
 無事に合格することができましたが、試験の最中に汗で文字が消えかけて少しひやりとした場面もありました。

技能検定受検を通して得たこと

 その当時、私としては技能検定の合格に向けて、日々一所懸命努力し、受検時には精一杯の力を出し切ることができました。その結果、成績優秀者に贈られる県知事賞というすばらしい賞までいただくことができました。普段のたゆまない努力、技能向上への思いがいかに大切であるかということを痛感しました。
 私は資格試験を通じて、やはり書体などの基本が大切だと思い、書道を習いに行くようになりました。最近では字入れに機械を使う機会が多くなっていますが、今は全て自分の手で書いています。画数や形などの文字の組み合わせにより、機械ではできない特殊な技能を活かして、他ではできないものをつくることができます。今後は、こうした技能で勝負していきたいと思っています。

今後の目標

 検定を受検してからずいぶん時間がたちましたが、技能というものは折れ線グラフが右肩上がりに上がっていくのではなく、ほとんど真横に近いくらい少しずつ上がっていって、ある時期に一気に上がっていくような気がします。
 息子が後を継ぐかどうかは今のところわかりませんが、仮に継ぐことになったとしても自分と同じやり方ができるとは限りません。それでも身に着けてきた技能を後世に伝えていけたらと願っています。
 これからも、慢心することなく、お客さんの喜ぶ顔を見られることを一番の楽しみに、一本一本の印章を心を込めて彫り続けていきたいと思います。

  

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