合格者の声 塗料調色技能士(調色作業)単一等級取得 長谷川 和道さん
塗料調色技能士(調色作業)単一等級取得 長谷川 和道さん(井森塗料株式会社)
受検するきっかけ
私は、普通高校を卒業後、自動車関連の会社に就職し、その後現在の塗料販売店に就職しました。それまでは自動車の塗装を遠目に見ていたことはあっても、塗装や塗料に関する知識はほとんどありませんでした。
ところが、現在の職場にきてからは、塗料販売店では珍しく原色での調色もしていることに大きな興味を抱きました。勤務先のユーザーは、建築関係が約半分で、他は自動車板金や工業関連ですが、ユーザーの要望に応じて原色を基に調色していくことは、かなりクリエイティブな仕事であり、微妙な調整を考えると高度なスキルが要求される仕事だと認識させられました。
そんな中で、1年ぐらい前にネットでスキル向上のための方策を探していたところ、技能検定試験を知り、これはユーザーさんへのさらなる信頼やアピールにもなるし、近隣の販売店では取得している人もいなかったことから、自社の有力な武器になると思い、受検をきめました。
合格に向けて取り組んだこと
調色の実技に関しては、毎日仕事でやっていますから、それほど抵抗は感じませんでした。また、メーカーの講習会などもあり、積極的に参加したおかげで、実技試験の流れも何となく把握でき、試験であわてることはほとんどありませんでした。実技では、水性、エマルジョン、ラッカーの3種類の見本板を課題に調色していくのですが、淡色から濃色へと調色していく作業はいつもの調色の仕事と変わらないことから、さほど抵抗もなくできました。やはり、少ない原色でいかに早く正確に作るかを、日々の調色の実務で意識したことが役に立ちました。ただ、試験でラッカーに関して課題が紫色と滅多に使わない色であったため、多少は戸惑いましたが時間内に何とかクリアできました。
学科では参考書等を読み、過去の設問を何回も繰り返しチェックしたことで、それなりの自信を持って臨めました。ほとんどが経験に基づく知識と合致していたので、あまり抵抗感がありませんでした。
技能検定受検を通して得たこと
少ない原色でユーザーの要望する調色をすることは、普段から意識していてもかなり難しいものです。まして、色の指定をされるなら、それなりに合う色を何とか調色できますが、逆にある要望に基づいた色を任されるとなれば、かなり厳しいものがあります。なぜ、その色にしたかという理論的な裏付けが必要になるからです。
そういう意味では、今回の受検を通して、少ない原色を基調にして、いかに納得のいく調色ができるかという課題に真摯に向き合い、技術やスピードだけでなく色の持つ本質を理解し、理論的に裏付けられた調色を心がけることができるようになりました。まさに、今まで感覚でしていたことも、色の特性を理解することにより、より早く正確な調色ができるようになるとともに、ユーザーの要望に適切に対処できるようになったのです。
今後の目標
地域の塗料販売店で、塗料調色の1級技能士の資格を持った人はいません。そういう意味では、今回1級の資格を取得したことは、他店に比べて大きな武器になると同時に、自分の販売店の価値を上げることに寄与できたと思っています。今後も試験で得た知識を活かして、今よりもさらに適切かつ優良な調色をし、販売店の価値をあげていきたいと考えています。
また、塗装というテーマ をベースに、今後もいろいろな資格にチャレンジしていきたいと思っています。具体的には建築関連の塗装、自動車の板金塗装、金属の塗装などといった各種塗装に関連する「塗装技能士」の資格取得も目指していきたいと思っています。
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