合格者の声 機械検査技能士(機械検査作業)1級取得 御宿 孝太さん
機械検査技能士(機械検査作業)1級取得 御宿 孝太さん(株式会社ギフ加藤製作所(品質保証部)
受検するきっかけ
私は商業高校でしたが、「ものづくり」に強い興味を持っていたことから、製造業の企業に応募したところ、採用されて品質保証部に配属されました。しかし、知識も技術も全く無い状態でのスタートで、会社の研修では機械加工や品質検査等に関する一通りの事は学びましたが、実際の現場では知識や経験が不足していることを思い知らされました。
そこで現場での品質に対する責任感と、「ものづくり」に対する強い関心が相まって、機械加工や品質検査等に関して、独学で知識や技術を習得しようと決意しました。最初は工業高校の教科書や文献など基礎的な内容を独学で勉強し、少しでも知識を増やそうと努力していきましたが、そうしたなかで技能検定の存在を知りました。
技能検定は国家資格で認知度が高いため、自身の技能が評価される喜びや合否に関わらず、受検するというプロセス全体が自己啓発に繋がると考え受検することを決心しました。
合格に向けて取り組んだこと
私の場合、会社からのバックアップも厚く、手当支給や表彰などの制度も充実しており、実技演習の設備も整備されていたことから、高いモチベーションを崩すことなく試験に臨むことができました。
実技の練習内容として最も力を入れて取り組んだのは、精度と速度でした。1級の場合は2級に比べ高度な測定精度や測定スピードが要求されることから、自社で製作したテストバー等を用いて、デジタル測定具で測定の正しさを整合しながら、試験の制限時間より極端に短縮して素早く行えるよう訓練しました。また、本番での緊張に慣れるため、職場のベテランにお願いして緊張感のある状況で作業しながら、アドバイスや問題点の指摘をしてもらいました。さらに、実技に関しては、過去問やその他の文献をたくさん読み、1つの問題に対して色々な角度から測定検討を行えるように心がけました。
また、学科試験では機械検査2級や品質管理検定(QC)2級、自主保全士1級を取得していたことから、広い分野の問題にも対応することができました。
技能検定受検を通して得たこと
技能検定を通じて自らの技能レベルの確認や、2級取得後は1級受検などとさらにスキルアップができるため、技能レベルの見える化にもつながり、自己啓発や自らの技能に対して自信をもつことができました。
また、試験内容は検査作業だけでなく5S、品質改善、機械加工なども含まれることから、総合的な知識が積み重ねられ、多方面から物事を見ることができるようになりました。さらに応用力を生かした業務改善などにも取り組めるようになりました。
約1300人の職場ですが、機械検査1級は難関で、取得者は社内でも数少なく、資格取得や業務改善等による会社への貢献が認められて昇格もしました。責任が重くなることからくる不安もありましたが、技能士としての自信も有り、さらに上のステージで力を発揮することができるという喜びが大きく感じられました。
今後の目標
検査技能の向上は品質の向上に繋がりますので、会社に大きく貢献できると思います。今後は自らの技能向上だけでなく、職業訓練指導員免許を取得し、技能を伝承する能力を高めていきたいと思っています。さらに、ゆくゆくは後進の指導にさらなる力を入れ、会社全体の技能を向上させていきたいと考えています。
そういう意味では、技能検定は後輩の育成に役立つと思っております。合否にかかわらず、技能検定を通じて努力をするそのプロセスが重要だからです。ただ、資格取得に対する意欲をどのように持ってもらうかということが大きな悩みですが、自分の受検を通じて、資格取得が後輩の刺激になると期待しています。
技能レベルには終りがありませんから、常に向上心を持って追求し、1級機械検査技能士として恥じることのないように責任感を持っていきたいと考えています。そして、さらに特級機械検査技能士を目標に努力を重ねていきたいと思います。
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