合格者の声 塗装技能士(建築塗装作業)1級取得 曽根 省吾さん

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塗装技能士(建築塗装作業)1級取得 曽根 省吾さん(株式会社 塗装職人)

受検するきっかけ

画像:合格者の声

 社会人になってから、建築関係の仕事をいろいろやりました。そうした中で友人がやっていた塗装業を一緒にやるうちに、塗装という仕事が好きになりました。結局、塗装業で自立してから約25年になりますが、これまで資格がないことに対して不自由はありませんでした。しかし、塗装業を始めて12年ほどした頃、何の資格もないまま、ただの職人として埋もれてしまうのも嫌だなと思うようになりました。そこで当時、同業の組合の人から聞いていた建築塗装の技能資格が国家資格ということから、資格取得にチャレンジすることを決意しました。建築塗装の世界では、一般的に腕の上手下手に明確な基準がないため、お客さんも誰がいいのか判断できないのが現状です。そこで、実力の差を分からせたいというのが受検するきっかけでした。

合格に向けて取り組んだこと

 試験を受けるまでは、知識、技術ともに、現場経験から学んだことしかありませんでした。実際には困ったことはないのですが、基本的なことから学んでみたいという願望も少なからずあったので、関係組合の仲間に教えてもらうなどして試験対策をしました。とくに、実技では、普段は外壁の塗装が主な仕事なので、内装のパテや塗装はほとんど経験がないため不安でした。そこで、内装用の材料と道具を周到に準備して、仕事以外の時間でただひたすらに練習しました。
 学科については、組合が主催した講習会で試験予想範囲などを教えてもらい、ただ勉強するだけでしたが、独自には過去の問題や傾向と対策の本を入手して、どんな問題にも対応できるように勉強しました。

技能検定受検を通して得たこと

 工事をするお客さまにすれば、外壁塗装の業者選びはとても苦労するようです。「一級塗装技能士」という、国家資格の基準を示させていただくことによって、お客さまにも好印象を与え、会社の業績にも良い影響を与えています。
 高度な技術があっても、実際に現場で腕を発揮する機会はなかなかありません。その最大の理由は、予算や工期の面で思うように確保できないことです。それでも一級塗装技能士としてのプライドを持って、お客さんの満足度を少しでも上げていこうと思っています。限られた予算や工期の中で、いかに高度な技術を発揮できるかが重要ですが、その考え方は技能向上の意識を持っている職人さんの気持ちと通じるものがあります。また、塗装技能士の資格は人材募集の一つの目安にもできます。

今後の目標

 今は少しずつ、お客様にも一級塗装技能士が徐々に認知され始めるようになりました。しかし、実際の現場では資格を持っていても、色々な足かせがあり、その技術や知識が活かされない事情というものが出てきます。
 また、外壁塗装の世界が特別なのかもしれませんが、受注して別の業者に丸投げするような業者も少なくありません。さらに、現場で作業する職人が一級塗装技能士でも、事業者の代表者自身に実務経験なしということも少なくなく、それが工事品質に悪影響を及ぼしていることがあります。
 世間ではリフォームで多くのトラブルが生じていますが、職人はもちろん現場に携わる人間に資格者が多ければ多いほどお客さんにとってメリットが多いということを、一業者として伝えていければいいなと思っています。

  

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