合格者の声 金属プレス加工技能士(金属プレス作業)1級取得 (平成30年度) 宇佐美 重宗さん
金属プレス加工技能士(金属プレス作業)1級取得 (平成30年度) 宇佐美 重宗さん(宮川バネ工業(株))
受検するきっかけ
私の会社は、ばね工業会という団体に所属しています。ばね工業会には優良ばね製造技能者の表彰制度があり、技能検定の金属ばね製造作業の線ばねと薄板ばねの1級、さらに関連技能検定1級の3種類に合格すれば「プラチナ賞」が授与されます。ばね業界で働く以上、1社に一人くらいはプラチナ賞受賞者がいた方がいいと思い、3つ目の関連技能検定に10年以上作業してきた金属プレス加工を選び受検しました。しかし恥ずかしい話ですが、長年プレス機械を使ってきたのに、正確なことがよくわかりません。機械使用前に行う安全点検ですら正しい方法を知らず、教えてくれる先輩もいません。それなら自分がその第一人者になろうと考えました。
合格に向けて取り組んだこと
受検情報を探しているとき、愛知県金属プレス工業会のサイトを見つけました。そこでは毎年試験内容の講習会が開かれ、実技・学科ともに学べます。実技講習会に参加し金型の取扱いから工具の使い方、材料の製作方法まで教えていただきましたが、問題は会社に戻って金型の取り付け練習ができないこと。そこで講習会での作業方法をすべて撮影し、会社に戻ってから手順書を作成。イメージトレーニングで作業方法を頭に叩き込みました。学科講習会ではいただいた過去問をエクセルで整理。ボタンひとつで答えが解る仕組みをつくり勉強しました。この実技手順書とエクセルの学科勉強シートが、今後の社内受検者の合格への道標となればと願っています。
技能検定受検を通して得たこと
製作等作業試験では安全のためプレス機械の点検を行う場面が必ずあり、それが試験の合格基準にも含まれています。実技講習会を受けるまでは、いつも会社で行ってきた点検が正しいものだと信じてきました。今回、金属プレス加工技能検定を受検したことで今後のプレス作業を生業とする生き方に、一つの指標を築くことができました。たとえ他社からの意見で点検方法が指摘されたとしても、自信を持ってこのやり方が正しいものだと断言できます。また実技講習会で金型取り付けやブランク展開を教えていただいた指導員の方々には感謝しています。危険なプレス機械を扱う作業ですので、時には真剣に怒って教えていただくこともありました。
今後の目標
金属プレス加工1級に合格すると、会社から新たな目標が与えられました。「動力プレス特定自主検査」を自社でできるように考えてほしいというものです。プレス機械は毎年法令点検が義務付けられて、有資格者が必要な項目を検査しなければいけません。大阪安全衛生教育センターで動力プレス事業内検査者研修コースを受講し合格できましたが、合格だけで検査ができるわけではありません。自社のプレス特性を理解し検査項目を精査し、さらにだれでもわかる手順書の作成が不可欠です。今後の目標は動力プレス特定自主検査が自社でできる体制づくりとなります。そして念願だったばね工業会の「プラチナ賞」を目指していこうと思います。
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