現代の名工Navi

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機械時計組立・修理工

加藤 實(かとう みのる)

 87歳

就業地: 神奈川県

加藤 實(かとう みのる)

受賞年度
2019年

所属
個人工房(時計部品製作、修理、調整)

プロフィール
 14歳より時計部品製作に携わり、1966年、34歳の時にCMW(米国公認上級時計師証)ならびに労働省(当時)の1級時計修理技能士を取得。その技術の高さは、かつてFHスイス時計技術センター講習会で「天真」を10ミクロン以下の精度で製作し、スイス人講師を驚嘆させた。現在は工房で時計修理をする傍ら、「日本時計研究会」をはじめ、技術・知識向上のための勉強会などで旋盤教室の講師を務めるなど、後進の技術向上にも熱心に取り組んでいる。

※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。

技能の紹介

 時計部品製作による機械時計の修理・調整に卓越した技能を有しています。その技能の高さは、かつてはFHスイス時計技術センター講習会での10μ以下の精度の「天真」製作においてスイス人講師を驚嘆させ、現在は、工房に国内外の高級腕時計の修理の依頼が集中するという事実に現れています。
 また、「日本時計研究会」をはじめ、技術・知識向上のための勉強会等で旋盤教室の講師を務めるなど、後進の技術向上にも熱心に取り組んでいます。

技能の紹介

仕事に対する思い

 機械式時計の人気は根強いものがありますが、最近また人気が高まっています。機械式時計の修理で、交換部品がない場合は、時計師が作ります。この道に入って以来75年間部品を作り続け、また技術を後輩の時計師に伝えています。最近、外国製時計の部品の入手がいろいろな理由で困難になっていて、本国に送らないと修理ができませんが、正しく部品を作れば短期間に比較的安価に直せます。特に、古い時計やアンティーク時計の場合は交換部品が普通はありません。これらは時計師自らが部品を作ることで、再び命を吹きこまれ動き出します。これも時計師の喜びの一つです。

仕事に対する思い

名工からのメッセージ

 機械式時計の人気が再び高まってきて、時計修理の需要も高まりつつあります。きわめて精密な時計の修理技術を身につけ、これを将来に継承してゆくことに、挑戦する意義は充分あります。時計師になるためには、身につけるべき沢山の技術と知識が必要です。一度に全部は身につきませんから、専門の学校で勉強することが一番の早道です。若い人たちの挑戦を期待します。

仕事に対する思い

この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など

◎ ひこ・みづのジュエリーカレッジ・ウォッチコース  https://www.watch-hiko.jp/graduation_work
◎ 近江時計眼鏡宝飾専門学校(近江神宮所属) http://www.tokei-co.org/page1
◎ 大阪府時計高等職業訓練  http://tokeikumiai.com/osaka/school.html
◎ なにわ時計学校  https://naniwatokei.jp/
◎ シチズン時計マニュファクチュアリング株式会社時計学校                     http://cwmj.citizen.co.jp/company/school.html

これまでの主な表彰歴

1. 感謝状、平和堂貿易株式会社。輸入時計の部品製作・修理・調整に対する表彰(昭和52年11月3日)

2. 感謝状、セイコー時計資料館。鎌倉在住和時計コレクター故チェスター・ハワード氏所蔵の文献資料寄贈の労に対する表彰(平成14年2月)

受賞歴