現代の名工Navi
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建築大工
中村 静男(なかむら しずお)
71歳
就業地: 和歌山県
受賞年度
2021年
所属
株式会社中村工務店
プロフィール
和歌山県田辺市で生まれ、白浜町で育つ。地元の商業高校を卒業後、大阪のオーディオ専門家電販売店に就職。就職をきっかけにアンプを自作したことがものづくりの始まり。その後、友人の誘いで京都の工務店に転職し大工の道に。地元に戻り、昭和53年に中村工務店を設立創業、平成27年には株式会社中村工務店を設立。令和元年にものづくりマイスター認定。「技術を磨くことに終わりはない」と現在も自らの技能向上に取り組む一方で、後進の育成にも力を注いでいる。
※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。
技能の紹介
大工工事業に51年間従事し、技能・知識を培い、卓越した技能を有しています。曲線加工などに随一の精度及び加工技術を誇り、特に伝統工法である斗組及び唐破風に発揮されます。唐破風は案件に応じ曲がり角度を調整し、細部の仕上げにもこだわり、誰が見ても美しい形状を追及しています。田辺技能士会会長、和歌山県職業能力開発協会理事等を歴任し、全技連マイスター、ものづくりマイスターの認定を受け、建築大工の技能向上のため積極的に指導を行うなど後継者育成に尽力しています。
仕事に対する思い
神社仏閣や昔の土蔵の修復など、図面が無い状態から取り組まなければならない仕事は本当に大変ですが完成時の感慨も大きく、印象に残っています。難しいほど、いかに問題を克服するかを考えて取り組むことが楽しいです。
自分自身は修業時代はベテラン宮大工の後ろをついて回り、仕事を覚えました。また、京都で仕事をしていた時には京都建築専門学校の夜間部に通うなど、とにかく技術と知識を貪欲に学びました。木材の曲面加工なども洋家具職人さんのところに通い詰めて技術を磨きました。
独立してからも「人は石垣」との思いから人材の育成に取り組んできましたし、現在でも独立前の人とのつながりで助け合うことも多いです。この仕事はとにかく「人」が大切で、一人では何もできないと心に刻んでいます。
名工からのメッセージ
とにかく、大工の道の技術向上に終わりはないので、知識や技術を習得することに貪欲であって欲しいです。
とはいえ、好奇心や興味が湧いて仕事に面白味を感じるようになるまでは時間が必要な事もあるので、根気よく取り組むことが大切です。完成したとき、心から達成感を味わえる楽しい仕事だと思いますので、ぜひ若い人に志して欲しいです。
この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など
和歌山産業技術専門学院、京都建築専門学校、株式会社中村工務店
これまでの主な表彰歴
平成19年1月20日 和歌山県技能賞
令和2年10月6日 和歌山県知事表彰(産業の振興)
受賞歴
ものづくりマイスター 令和元年度認定 建築大工職種
全技連マイスター 平成18年度認定 建築大工職種