現代の名工Navi
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型枠大工
髙橋 豊(たかはし ゆたか)
67歳
就業地: 神奈川県

受賞年度
2023年
所属
株式会社トヨテック
プロフィール
青森県八戸市生まれ。親の転勤で小学1年生から東京都品川区へ転出。子供ながら都会のカルチャーショックを記憶。中学2年から新聞配達をし、学生時代は各職のアルバイト漬けの毎日だったが、稼ぐ喜びを感じ大学を中退した。稼いだお金で昭和52年から東南アジア7か国に約2年放浪生活し、帰国後は廃品回収業を営んだ。結婚を機に手に職を付けるため親戚の型枠大工の親方に弟子入りし、以後は型枠大工一筋に歩み現在に至る。
※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。
技能の紹介
コンクリート製建造物で生コンを流し込む型を成形する型枠工事では、高重量負荷に耐えうる支持強度と、設計デザインの曲面工事に関数計算を用いた型枠成形の加工が求められ、さらに大規模構造物を三次元的に高精度で造り上げるには、多くの作業員を指揮し共同作業で造ることが要求され、同時に安全管理を最重要視している。従事建造物には、日本建築大賞第2位となった湘南国際村センター、東京2020オリンピック・パラリンピック選手村がある。技能検定受検準備講座の講師として修了者の技能士合格を補助し、後進育成に努めている。

仕事に対する思い
型枠大工は作業人数が多く、危険な作業のため、天候の影響予測や、安全、品質、工程管理に基づく計画を作成し、基本は5W1Hと常に安全を優先します。近年の人材不足、材料高騰のため計画通り進まないことが多いですが、現場状況のポイントや流れ、段取りを一緒に作業する仲間に説明し、各所の進捗を確認、作業バランスの調整を大切にしています。湘南国際村センターの建設に携わった際は、ゴルフ場の6番ホール跡地で建物が6の字設計の為に施工の難易度が高く、約11,000人が携わる中、1日に型枠大工100人を統括するのは至難の業でした。安全作業が大事です。これまでの無事故実績も工事関係者の協力に感謝しております。

名工からのメッセージ
世界中に歴史的建築物があります。印象に残るのは、インドの石造りのタージ・マハル、アジャンタ・エローラの石窟寺院、日本では木造建築物、神社仏閣など。動力や機械がない時代にすべてが手作業で計り知れない時間と手間を費やしていたことでしょう。人が建築物をつくり、歴史を伝える営みの中で、私も建築物を建てて残す仕事に携われています。日本の地図に残る仕事に若い皆さんが関わることを強く願っています。
この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など
職業訓練法人 神奈川土建技術研修センター
これまでの主な表彰歴
〈大臣表彰〉
・優秀施工者国土交通大臣顕彰 建設マスター (平成28年10月)
・厚生労働大臣安全優良職長賞 (平成21年1月)
〈知事・行政機関の局長表彰等〉
・神奈川県卓越技能者表彰 (令和元年11月)
・横浜マイスター称号授与 (平成28年8月)
〈その他〉
・三井住友建設株式会社オリパラ選手村表彰 (令和元年6月)
・株式会社フジタ安全優秀職長賞 (平成19年6月)