現代の名工Navi
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タイル張工
細井 督司(ほそい とくじ)
59歳
就業地: 京都府

受賞年度
2023年
所属
hosoi-tile
プロフィール
父が営むタイル屋を高校生のころから手伝うようになり、当時は町屋向けの仕事が主であった。また、市の下水道完備に伴ってトイレや風呂の仕事が多く忙しかった。20歳を超えたころから仕事がおもしろくなり、家業を引き継ぐことを決意した。丁寧に仕上げる父の仕事を間近に見ながら、高い技能を要する注文も多く手掛けるようになった。
※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。
技能の紹介
長年の経験からあらゆるタイル張りの工法に精通し、丈夫で美しく仕上がる「積み上げ張り工法」に優れる。タイルを一枚一枚、壁面の下部から上部へ積み上げるように一段ずつ張り付ける工法で、確かな技術力が必要とされるが、美しく仕上げることができる。マンションなどの大きな壁面においては、タイルや使用する場所に応じて気温・湿度等を考慮し、剝離防止接着剤を選定する幅広い知識と優れた技能を有する。また、技能講習会を開くなど、後継者の指導、育成、技術向上に努めている。

仕事に対する思い
今は水平な下地にボンド等で張り付ける工法が主流ですが、昔は不陸の下地に砂とセメントを調合した骨材を直接タイルにつけ、表面が均一になるよう仕上げる「積み上げ張り工法」が主流でした。この工法で施工できる人は少なくなりましたが、今でもこの施工法が求められることがあります。一枚一枚張り付けた後に鏡のように輝くタイル面を見ると、いい仕事をしたなと思います。近年は内装より外壁の注文が多いですが、京都では外国人向けのセカンドハウスや民泊施設にタイル張りのバス・トイレ等が人気で内装仕事も増えています。一つとして同じ現場はなく、自分が納得した仕上りを施主さんにも喜んでもらう時に大変やりがいを感じます。

名工からのメッセージ
時代とともにタイルの材質や工法がどんどん変わり、仕上りの質を保つためにはむしろ昔より難しくなった面もあります。タイルはとにかく見栄えが重要です。美しくできあがるとお客さんだけでなく自分の喜びにもなります。工夫したり、提案したり。面白みをみつけるのも仕事のうちだと思います。技能は経験がものをいいますが、とことん突き詰めて、そしてなにより仕事を楽しんでほしいと思います。

この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など
愛知県にINAX建築技術専門校があり、タイル張りを学べます。
職人さんにつくというのも早道ですが、雇用制度がしっかりした大手で技能を身につけ、その後独立を考えるのもいいと思います。
これまでの主な表彰歴
〈大臣表彰〉
・国土交通大臣 優秀施工者顕彰 (平成23年9月)
〈知事・行政機関の局長表彰等〉
・京都府知事 京都府優秀技能者表彰 (平成29年3月)
受賞歴
厚生労働省「ものづくりマイスター」 平成25年度 認定 タイル張り職種
全技連マイスター 令和4年度 認定 タイル張り職種