現代の名工Navi
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左官
三枝 俊雄(みえだ としお)
63歳
就業地: 兵庫県

受賞年度
2023年
所属
株式会社三枝左官工業所
プロフィール
三木市府内町において父親が左官工事業を営んでおり、家業というかたちで若いころから左官業に慣れ親しんでいた。自身も同じ道に入り、他社での修業を経験したのち後継者となった。それからは湿式工法の減少などの建築手法の変化に伴い、左官という業種の趨勢を自分なりに考えつつ試行錯誤を繰り返し、経営を行ってきた。公共工事、民間工事、野帳場、住宅、また、建築、土木を問わず様々な現場に取り組んでいる。
※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。
技能の紹介
長きにわたり左官の道一筋に研鑽を重ね、各種工事で卓越した技能を有している。「漆喰塗り引き摺り仕上げ工法」を駆使して自然な模様を生み出した塀の復旧工事や、「漆喰鏝押え(しっくいこておさえ)仕上げ工法」「あらしもの仕上げ工法」等を用いた子午線塔時計台の仕上げでその技能は発揮され、時計台は地域のシンボルとなっている。また、伝統的工法や最新工法を取り入れた技能指導や、「ものづくりマイスター」「ひょうごの匠」として次代を担う子供達に技能体験の指導を行う等、後進技能者の育成に尽力している。

仕事に対する思い
「左官」はかつて大方の普請事に用いられてきた伝統的な技法であり、建物の断熱、防火性能を補完する上で重要なものとされてきました。特に日本建築のそれは仕上がりに美しい風合いを伴っており、味わい深いものがあります。それだけに職人が一人前の技能を習得するには長い年月と経験を要します。現代では様々な認定建材や工法の進歩により昔の作業とは異なってきていますが、職人を育成するためには労力や適性面の問題もあり、人手を確保するのに難渋する場面が数多くあります。しかし私は日本で培われてきた伝統技能に自信と誇りを持っており、情熱を持って取り組んでいます。多くの若者に無から有を造り出すこの技を伝えていきたいです。

名工からのメッセージ
左官工事はセメント、砂、コンクリートを扱う仕事というイメージかも知れませんが、実はその職域は多岐にわたっており、いろいろの業態や作業を含んでいます。その意味では拡がりを持って捉えていただきたいのですが、業界内では高齢化も進み常に人手不足なので若い力を欲しています。左官業界に飛び込んで大いに日本の伝統技能を継承していってもらいたいです。
この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など
これまでの主な表彰歴
〈知事・行政機関の局長表彰等〉
・兵庫県知事表彰 技能顕功賞 (平成21年11月)
〈全国レベルの業界団体表彰等〉
・日本左官業組合連合会会長表彰 (令和元年5月)
〈その他〉
・三木市長表彰 技能功労賞 (平成29年12月)
・日本左官業組合連合会近畿ブロック会会長表彰 (平成30年5月)
受賞歴
厚生労働省「ものづくりマイスター」 平成28年度 認定 左官職種