現代の名工Navi

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造園工等

山本 聰洋(やまもと としひろ)

 62歳

就業地: 和歌山県

山本 聰洋(やまもと としひろ)

受賞年度
2018年

所属
(有)山本園

プロフィール
 特に強く心に決めた進路がまだ定まっていなかった当時、造園業を開業して間もなかった亡父の強い薦めで、東京農業大学農学部造園学科に進学した。経済成長が右上がりの時代背景もあり、豊かな暮らしの象徴でもある造園産業は明るい希望に満ちた分野であると学んだ。卒業後は大学先輩のお誘いで京都老舗「(株)植芳造園」に入社させて頂き、その後約五年間造園業の『いろは』と、プロとしての心構えを徹底的に鍛えて頂き、「生涯の道」と決心させて頂くと共に覚悟を決めた。

※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。

技能の紹介

 伝統日本庭園技法を根底としつつも、庭園設計施工にCADや三次元計測を導入するなど作庭ワークフローの近代的合理化を積極的に進め、寺院庭園作庭に独自世界を展開。また、貴重樹の樹勢回復法として伝統「透かし剪定技法」の拡張高度化も進めています。平成15年に就任した県造園建設業協会の会長として、県発注の公共造園工事における造園技能士の常駐化実現に尽力するとともに、造園業界の後進の育成・指導に多大なる貢献をしています。

技能の紹介

仕事に対する思い

 数多ある仕事それぞれが神聖なモノであることに違いはありません。しかしまた数多ある仕事すべてが何時の時代にも求められ続けるとは限りません。時代のニーズに進化適応できない仕事や、新たなニーズを創出できない仕事は表舞台から退場を余儀なくされます。遠い過去でも、遙かな未来でもない「今」この時代を生き抜く創意工夫は、いかなる仕事でも怠れ無い努力であろうと思います。時代変化が激しく価値観の多様化とグローバル化が進む中、伝統産業は厳しく困難な局面を迎えていますが、日本の風土やそこで育まれた日本人気質が急激にかわるわけではありません。風土の中で脈々と培われてきた伝統産業には、必ず活路があると自信を持つべきであろうと思います。

仕事に対する思い

名工からのメッセージ

 「生涯の道」は必ずしも最初から強い自覚だけで決まるわけではありません。多くの人との出会いの中で育まれる場合が多いように思います。またひとたび道を定めたとしても、「果たしてこの道が自分に向いてるのだろうか?」と、失意や逡巡の繰り返し。「七転び八起き」「継続は力なり」「好きこそ物の上手なれ」。多くの人の支え為しに成し得ることなど、たかが知れたものだと、今振り返るときそう思います。プロとは自らの専門スキルと人間力を持ってして、全身全霊で人を幸福にし、社会に貢献し、報酬を頂戴する人を言うのだと思っております。

仕事に対する思い

この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など

 この仕事は満点もなければ終着点もありません。常に道半ばであると、謙虚に学ぶ姿勢を持ち続ける必要があるでしょう。初学のうちは優れた指導者、師匠、親方の元で教えを請い、薫陶を受けるのが良いと思います。しかし最も学ぶべきは具体的な知識や技能では無く「学び方」。つまり生涯ずっと教えを請い続けられる訳ではなく、ある段階から自らが独学自習しスキルアップして行かざるを得なくなるので、初学のうちに独学自習する事を自らに躾け、習慣付けて置くことが大切では無いかと思います。

これまでの主な表彰歴

優れた緑の技能士顕彰(平成16年5月)
  社団法人日本造園組合連合会より常に緑化産業の第一線にあって業務に精励し、
  技術技能の向上に努め他の模範であるとして「優れた緑の技能士」顕彰を受ける
和歌山県技能賞(平成23年11月)
  和歌山県知事より優秀な技能をもつとともに常に工夫改善につとめ技能水準の向上をとおして
  県内産業の発展に寄与し、その業績は技能者の模範であるとして「和歌山県技能賞」を受ける
和歌山県知事表彰(平成25年5月)
  和歌山県知事より造園業界の振興を通じて県内の社会環境の整備、緑化事業の推進や
  産業の振興に貢献したとして「和歌山県知事表彰」を受ける
国土交通大臣表彰(造園事業振興)(平成30年7月10日)
黄綬褒章(令和2年4月29日)

受賞歴