現代の名工Navi
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土石製品製造工
秋山 十三男(あきやま とみお)
76歳
就業地: 神奈川県

受賞年度
2023年
所属
秋山石材有限会社
プロフィール
父親が社長を務める石材店の家庭で育ち、幼い頃から身近だった職人たちの技能に触れ、物心がついた時には砥石で石材を磨いていた。中学卒業後、父親が病気で倒れた事をきっかけに本格的に石材業に向き合う。25歳で独立し、秋山石材有限会社を設立した。現在では自ら揮毫(きごう)し、その文字を手作業で石に彫ることができる、神奈川県唯一の職人である。
※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。
技能の紹介
石工事全般の技能に優れており、特に文字彫刻における揮毫技術、彫刻技術に卓越した技能を有している。自らの手で揮毫から彫刻まで一貫して行い、多くの技法を使い分け、繊細な技を駆使する。美的感覚にも優れており、全国各地のモニュメント施工にも携わっており、ダイナミックで且つ優雅な作品を残す。後進の指導においては、各種講習会の開催や行政機関に出向いての講義など、その技術を後世に残すべく業界内外に伝えており、技能の向上・伝承に多大な貢献をしている。

仕事に対する思い
石材の仕事は形として永く残るものです。何千年も残り続ける石碑に刻む名前を、生きた人たちの証として残したい、という思いで仕事をしています。ノミで石に直接文字を彫る作業は特にこだわりがあります。細い部分は浅く、太い部分は深く彫り進めることで、筆で書いたようなメリハリとなめらかさを表現できます。石と文字に60年以上向き合ってきましたが、揮毫に満足することは少ないです。書いたものを次の日に見るとダメな部分が見つかり、まだまだ修行が足りないと思うこともあります。だから筆とノミさえ持てれば生涯現役でやり続け、納得のいく文字を書き続けて彫り続けたいです。

名工からのメッセージ
石材業界は先細りしている業界ではありますが、誇りに思える仕事でもあります。今回、現代の名工に選ばれ、自分の仕事と技能が認められたようで、とても嬉しく思います。これから、今までのような技能が多くの後進に継承される事よりも、その技能をベースに新たな革新が起こることを期待しています。
この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など
これまでの主な表彰歴
〈知事・行政機関の局長表彰等〉
・卓越技能者神奈川県知事表彰 (平成28年11月)
・技能功労者厚木市長表彰 (平成15年11月)
〈その他〉
・神奈川県石材業連合会表彰 (平成8年1月)