現代の名工Navi
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木工
谷上 康英(たにがみ やすひで)
59歳
就業地: 愛知県

受賞年度
2023年
所属
トヨタ自動車株式会社
明知工場
素形材技術部
プロフィール
昭和54年にトヨタ自動車株式会社の企業内訓練校である「トヨタ工業学園」へ入学。鋳造用の模型を製作する木型製作に配属され、技能五輪を経験した。職場配属後は腕の立つ先輩から様々な試作部品の鋳造用型作りを学んだ。その後は、量産品の鋳造工場立ち上げ、品質改善活動等に従事。現在も良品条件づくりの指導や、基本的な型作りの考え方、鋳造方案設定の仕方など、長年培った技能を現場で若手人材に指導している。
※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。
技能の紹介
自動車用鋳造部品の木型製作と開発業務に従事。技能五輪世界大会1位に輝いた手加工技能を磨き続け、レース車両に求められる高品質な鋳物技能を習得。「薄肉中子強化用塗型剤の開発」や「粗材要求強度を高める直冷鋳造方法」等の工法を考案した。
また、東京オリンピック聖火台の鋳物製作リーダー、中央技能検定委員、日本鋳造工学会での研究発表、鋳造技能競技会での技能研鑽等など、鋳造技術の発展と優れた人材の育成に尽力している。

仕事に対する思い
木型製作(鋳造用模型製作)の仕事は、型の仕上りで最終製品の品質が決まってしまいます。大切なことは、依頼された図面やデータから求められているニーズは何か、対応するにはどうすべきかを考えます。場合によっては、造る側から設計側へ積極的に改善提案を出し、関係者とよく会話をしながら進めることです。その結果、自身の知識が増え、やりがいに繋がっています。また、自分にできることは何にでも挑戦する意識と行動が常に大切で、他業種を学び、製品全体を把握することを心掛け、ものづくりの啓発鍛錬を大切にしています。

名工からのメッセージ
鋳造用の型を作り上げる木型製作に必要なことは図面読解力や工作力、材料特性の知識、前後工程の理解等があり、総合的に型構想を考えて製作する力が求められます。私は現在も日々勉強していますが、未だ至りません。この仕事はとても奥が深く、私の一生涯をかけて精進しています。これから、この道を目指す方は関連知識も同時に学びながら成長することを目指してください。

この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など
これまでの主な表彰歴
・愛知県知事表彰 優秀技能者 (平成6年10月)
受賞歴
技能五輪全国大会 第22回大会 木型職種 第1位