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木彫工

岩倉 雅美(いわくら まさよし)

 68歳

就業地: 富山県

岩倉 雅美(いわくら まさよし)

受賞年度
2021年

所属
岩倉彫刻工芸

プロフィール
 欄間彫刻を家業とする家に生まれ、のみを使って遊ぶ子供時代を経て、自然に家業を受け入れ2代目として木彫刻の道を歩む。高岡工芸高校、デザイン専門学校で種々の手工芸を学び、一方、県指定無形文化財保持者の父、岩倉勘宰の下で修業を積む。旺盛な好奇心を核に密度の高い仕事を心掛けながら日展等展覧会にも出品、数多くの入賞を果たす。組合理事長として、井波彫刻業界の底上げを図り、新商品開発、効率化等にも心を砕く。

※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。

技能の紹介

 深彫り、透かし彫り、丸彫りなど多種多様な彫刻の彫りの技術を有し、特にノミの切れ味をいかした細密な極小彫刻技術に卓越した技能を有しています。その繊細・緻密・優美な技術により、一寸角の根付、香合等の制作やオリジナルな図案を基に彫り上げる綿密な創作欄間を得意としています。
 「全国木彫刻コンクール」の開催や彫刻を取り入れた新商品開発などに取り組むほか、井波彫刻協同組合の理事長や(訓)井波彫刻工芸協会の会長を歴任し、業界の発展や後進の指導育成に尽力しています。

技能の紹介

仕事に対する思い

 父の仕事を見ながら、井波彫刻を生涯の仕事と思い取り組み続けてきました。密度の高い仕事を心掛け20年に渡り日展等様々な展覧会にも挑みました。2008年に井波彫刻協同組合の理事長に就任後、知名度の低かった井波欄間彫刻の商業的な全国展開を目標とし、足掛かりとして名古屋城本丸御殿の欄間に10年間取り組み、大きな自信を得ました。現在は木彫りを生かしたエレキギターや極小の置物、根付など伝統工芸の枠を超えた作品作りにも取り組んでいます。今回の受賞をきっかけに、井波の木彫刻の素晴らしさを更に広め、生活の潤いとして取り入れてもらいたいと願っています。そしてこの技術を絶やしてはならないと深く心に刻んでいます。

仕事に対する思い

名工からのメッセージ

 師匠の作品などのトレースを繰り返し、密度の高い仕事をすること、道具の扱いに慣れ熟知すること、こんな風に彫ってみたいという好奇心と探求心、そして不器用でもしがみつく根性と根気が大切だと思います。納得のいくまで彫り続けることで、自信が生まれ、仕事への意欲につながります。また、伝統の技法を守りつつも常に効率を意識し、既存の概念にとらわれない道具の工夫と斬新な作品の開発など発想力も重要と思われます。

仕事に対する思い

この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など

 木彫刻は工芸高校や京都伝統工芸大学校等で学ぶことができますが、木彫職人の弟子となり修行する道が一般的です。道具とその扱い方、材料の木の見極め、身近に作業をする姿を見られることなど、大切なのは木彫刻をする環境です。井波欄間彫刻の伝統技法を保持する職人の下で学ぶのが良いでしょう。

これまでの主な表彰歴

〈大臣表彰〉
(1) 経済産業大臣表彰(平成28年11月) 伝統的工芸品産業功労者等表彰

〈都道府県知事功労〉
(2) 富山県知事表彰(平成24年11月) 技能職能部門功労

〈その他の表彰〉
(3) 富山県職業能力開発協会長賞(平成16年11月)
(4) 富山県中小企業団体中央会長賞(平成18年11月)
(5) 中部経済産業局長表彰(平成21年11月)
(6) 南砺市功労表彰(平成24年11月) 産業経済部門
(7) 富山新聞文化賞(令和2年3月)

受賞歴