現代の名工Navi
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中華料理調理人
黒岩 利夫(くろいわ としお)
55歳
就業地: 東京都

受賞年度
2023年
所属
ホテルニューオータニ
プロフィール
千葉県出身。武蔵野調理師専門学校在籍中、居酒屋アルバイトをした時に和食や洋食と比べ中国料理が一番馴染みやすいと感じ中国料理の道を選ぶ。1987年ホテルニューオータニに入社。2003年ホテルニューオータニ「大観苑」料理長に就任し、現在に至る。優れた調理技能が評価され、中国遼寧省の料理協会より専門委員会高級顧問を任命された。
※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。
技能の紹介
中国上海料理調理における、食材の形を崩さずに加熱するため中華鍋を大きく振り上げて返す大翻勺(ダァファンシャオ)の技能に卓越している。この技能を駆使して作られる「ふかひれの姿煮」は、ダイナミックな盛り付けと最上の食感が大変好まれ、宴席料理の看板メニューとなっている。上海料理伝統の調理技能を講習会や調理師学校などで指導し、後進の育成に尽力している。また、調理技術審査・技能検定試験の技能検定委員を務め、専門調理師制度の発展と普及に貢献している。

仕事に対する思い
入社当初は中華包丁の使い方や調理場で飛び交う中国語に苦労しました。厳しい職場環境ではありましたが、料理人を憧れの存在ではなく仕事として割り切っていたので、夢と現実のギャップに挫折するということはありませんでした。自分で料理を作るようになってから料理長になった今でも変わらずに心掛けているのが「お客様の満足が第一」ということ、自分がお客様の立場になったときに食べたいと思う料理を作ることです。料理人は毎日同じことを繰り返す地味な仕事ですが、その努力の積み重ねが次第に自分の力になっていくのだと思います。

名工からのメッセージ
入社したばかりの頃は何の知識も無い状態なので、1年上の先輩はものすごく仕事ができるように見えます。しかし5年目と6年目の人の間には、よほどのことが無い限り大きな差はありません。1~2年の差は努力を積み重ねることで数年後にはほぼ無くなります。入社してすぐ必要以上に焦ることはなく、できないことがあっても料理人の道を諦めないでほしいと思います。自分が信じていることを地道に続けることが大切だと思います。
この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など
調理師専門学校の中国料理課や日本中国料理協会が実施する勉強会、料理講習会など。
これまでの主な表彰歴
〈大臣表彰〉
・厚生労働大臣表彰 調理師制度功労 (平成30年11月)
〈知事・行政機関の局長表彰等〉
・東京都知事表彰 優秀技能者表彰 (平成30年11月)
〈全国レベルの業界団体表彰等〉
・社団法人日本中国料理協会 功績賞 (平成22年5月)
〈その他〉
・中華人民共和国駐日本国特命全権大使賞 日中両国の友好および中国料理食文化の普及啓蒙に寄与 (平成29年5月)