現代の名工Navi
- HOME
- 現代の名工Navi
現代の名工Navi
内張工
鈴木 一彦(すずき かずひこ)
61歳
就業地: 東京都

受賞年度
2023年
所属
有限会社鈴幸装備
プロフィール
実家が椅子張り業を営んでいたため、作業場がいつも綿やウレタン、布の端切れなどで散らかっていた。しかし、その雑然としたスペースに綺麗に張り上がった椅子が現れるとそこは別世界に生まれ変わり、職人が生み出す魔法の技に幼心にも関心した。大学卒業後は椅子にとらわれず、オーダー家具製作の松坂屋百貨店直営工場「(株)誠工舎」に就職し家具製作を学び、その技能や知識を活かし現在に至る。
※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。
技能の紹介
伝統的な椅子張りである天然素材を用いた「そく土手工法」とウレタンを始めとする新素材を用いた現代工法の融合で椅子類を仕上げることにおいては、業界で第一人者である。その優れた技術・知識により数々の歴史的建造物の調度品の修復に貢献している。更に「椅子を張る」にとらわれず絵画やオブジェを「張り」で表現して業界の認知度アップ、若者へのアピールに繋げている。また日本各地に赴き、椅子張りの基礎・技能検定の講習を開催して椅子張の技術指導に尽力している。

仕事に対する思い
椅子は座ることを目的とした唯一の家具で安全性が一番重要だと考えています。しかし、設計者の想いやデザイン性も考慮しなければなりません。更に機能性、メンテナンスのしやすさ、コストなどを考慮し、オーダー家具工場で培った技能や知識でお客様、デザイナー共に満足していただいた時にやりがいを感じます。また、椅子張りにとらわれずスカイツリーのエレベーターホールにある東京のものづくりを象徴する12体のオブジェのうち1体の製作に携わった時の達成感が忘れられません。

名工からのメッセージ
何事にも興味を持つこと。これはどの様に作られていたのか、またどうしたらもっと良くなっていくだろうと疑問を持つことが重要です。椅子張りは美しさはもとよりお客様に座り心地を通してくつろぎや安らぎを感じてもらう職業です。お客様の笑顔を思い、誇りを持って挑戦してください。
この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など
これまでの主な表彰歴
〈知事・行政機関の局長表彰等〉
・東京都 功労者表彰 労働精巧 (令和元年10月)
・東京都 優秀技能者表彰 東京マイスター (平成26年11月)
〈全国レベルの業界団体表彰等〉
・(一社)全国技能士会連合会 全日本椅子張同業組合連合会 表彰 (平成28年11月)
受賞歴
厚生労働省「ものづくりマイスター」 平成25年度 認定 家具製作職種
全技連マイスター 平成28年度 認定 家具製作職種