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家具類内張工

森下 明久(もりした あきひさ)

 56歳

就業地: 大阪府

森下 明久(もりした あきひさ)

受賞年度
2020年

所属
有限会社モリス工芸社

プロフィール
 先代が早く亡くなった為、大阪および全国の同業者の先人技能者の方々から多くの知識・技能を学ばさせて頂き、助けられて現在に至る。このご縁に感謝し、大阪椅子張業組合の会長を経て、平成27年に大阪椅子張技能士会を発足し会長として椅子張技能士と業界の発展に尽力している。また、地球環境エコ事業啓発施設にて愛着のある椅子を自分で再生しリユースしてもらい、ゴミを減らす事業の椅子張り技能の講師として活躍している。

※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。

技能の紹介

 日本の伝統的藁土手工法で明治から昭和中期に多く製作された椅子の修理に必要なバネ吊り土手差し技能に優れ、ミシン縫製と手縫い仕上げ縫製を組み合わせた応用技能にも高い評価を得ています。一級技能検定実技試験に於いて主任技能検定委員を務めました。また、地球環境エコ事業啓発施設で古い椅子を直し再使用してゴミを減らすリユース事業で、いす張り技能の講師としても活躍し貢献しています。

技能の紹介

仕事に対する思い

 椅子の張替えリフォーム作業をする時に心がけている事は、まず既存の椅子の布地をめくり構造体を分解している時に、元々作業された技能者の熟練された技能と想いを勉強させて頂き、その良い所はそれに準じて再生し、使用状況に合わせてもう一工夫した方が座り心地と耐久性が良くなると思う時は、もうひと手間かけて作業をする事を心がけています。納品時、お客様に座って頂いて、言葉の説明ではなく体感として喜んで頂けた時に「手間をかけて良かった」と思う嬉しい瞬間です。そして、また年月が経って同じお客様から再リフォームを依頼されその椅子と会えた時、我が子と再会した気持ちになり、その当時の自分を思い出して嬉しくなります。

仕事に対する思い

名工からのメッセージ

 今までに挑戦した事のない大作の製作に直面した時、出来上がった姿を想像すると「こんなモノ、自分には出来ない」と思うかもしれませんが、その一部分だけ分解・拡大して考えると、自分が日々している基本的な作業が見えてきます。その積み重ねと少しのアイデアが応用作業となり、想像のモノが現実のカタチとして現れると思います。まさに「基本こそ極意なり」、若い方ほど新しいものづくりに挑戦して自分の技能を磨いてください。

仕事に対する思い

この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など

・全日本椅子張同業組合連合会および傘下の各地区椅子張業組合
・技能検定 家具製作(いす張り作業)1級・2級

これまでの主な表彰歴

〈都道府県知事表彰〉
(1) 優秀技能者大阪府知事表彰(なにわの名工) (平成24年11月)
(2) 商工業功労者大阪府知事表彰 (平成30年6月)

〈その他の表彰〉
(3) 技能検定成績優秀者大阪府職業能力開発協会会長賞 (平成8年11月)
(4) 中小企業青年優秀技能者大阪市長表彰 (平成10年11月)
(5) 全日本椅子張同業組合連合会理事長表彰 (平成14年10月)
(6) 東京都職業能力開発協会会長優秀賞(最優秀作品) (平成18年1月)
(7) 中小企業技能功労者大阪市長表彰 (平成22年11月)
(8) IFDA ‟Take A Seat” コンテスト人気投票1位賞 (平成25年5月)
(9) JID 「ISU-TEN2014」コンテスト人気投票1位賞 (平成26年10月)
(10) 全日本椅子張り同業組合連合会理事長功労賞 (平成30年10月)

受賞歴

ものづくりマイスター 平成26年度認定 家具製作職種
全技連マイスター 平成24年度認定 家具製作職種