現代の名工Navi
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表具師
本間 宏次(ほんま こうじ)
65歳
就業地: 長野県

受賞年度
2023年
所属
有限会社本間室内美装
プロフィール
長野県下高井郡山ノ内町出身。大学卒業後東京で就職し4年間生活していたが、父親の体調が優れず帰郷した。自分で責任を負える仕事に就きたいと思っていたことから、父親が営んでいた表具店で27歳から内装の仕事を始める。講習会を受講して技術を貪欲に学び取り、35歳で独立し、「本間室内美装」を設立した。37歳の時に出場した技能グランプリで銀賞を受賞し、現在は、ものづくりマイスターとして後進の育成にも力を注いでいる。
※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。
技能の紹介
内装、表具作業に長年携わり培った知識・技能を有している。特に貼り付け下地の特性に準じ、下地調整、下地材の選択に優れ、風合いを持たせる仕上げの技術は他に類を見ず、材料を問わず正確に仕上げる技術を有している。また、和紙、洋紙、ビニール等の異なる製品の融合性を研究し、それらを組み合わせた新しい風合いの施工も行っている。後進育成にも熱心で、技能検定の技術講師を20年間務めるほか、技能グランプリの出場選手の育成にも尽力し、25年間以上講師を務めている。

仕事に対する思い
壁装作業には、古来から伝わる「和紙下張り」を施工する数少ない優れた技能があります。これを用いて和紙本来の風合いと現代の風合いの融合を考え、「和紙調色付きワーロンシート」のデザインを提案・施工できるようになったことから、新潟県のホテル泉慶華鳳「特別室天井銀モミ和紙貼」、長野県の龍雲寺「浄土宗葵の紋の襖」などをはじめ県内外で高く評価していただきました。材料を問わず正確に仕上げるため、「納得いく仕事ができているのか」を常に自分に問いかけています。不安とプレッシャーで潰されそうになったことも多いですが、無事に完成し引き渡すことができた時の喜びは忘れられません。達成感を一番感じる瞬間です。

名工からのメッセージ
私は修行に出て手取り足取り仕事を教えてもらった経験がありません。最初は何もわからず作業していましたが、同業者と共同で仕事をするチャンスがあれば、わからないことは素直に教えを乞い、熟練者の技を目で見て盗むことを繰り返して技術を身に付けてきました。誰でも最初は素人です。向上心と意地があれば技術の向上はできます。手に職があるのは本当に強みですし、達成感を感じる職人になるのもいいものですよ。
この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など
業界団体に入会していただくと、装飾技法のスペシャリストによる指導を受けることができます。
これまでの主な表彰歴
〈知事・行政機関の局長表彰等〉
・長野県卓越技能者知事表彰 令和元年11月
〈全国レベルの業界団体表彰等〉
・全国表具経師内装組合連合会 功績賞 平成26年6月
〈その他〉
・壁装技能グランプリ推進協議会・全国表具経師内装組合連合会長表彰 技能グランプリ出場に際して会長表彰 (平成8年3月)
受賞歴
厚生労働省「ものづくりマイスター」 平成27年度 認定 表装職種
全技連マイスター 平成27年度 認定 表装職種
技能グランプリ 第15回大会 壁装職種 第2位