現代の名工Navi
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表具師
辻 忠明(つじ ただあき)
58歳
就業地: 福岡県

受賞年度
2023年
所属
インテリア辻
プロフィール
福岡県春日市出身。畳店を営む父の影響で襖の張り替えから表具の世界に入る事となった。畳店で活動しつつ、壁紙施工をアオイ商会にて習得し、表具の奥深さを知り、様々な方の助力により技能を伸ばすこととなる。また、その技術を活かして技能グランプリ出場や文化財の修復、アート作品の制作に取り組んでいる。また、福岡県の技能検定委員として、業界の発展と後進の育成にも熱心に取り組んでいる。
※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。
技能の紹介
伝統的な技術を用いた工法での業務経験が豊富であり、文化財等の復元修理に優れている。特に建築物における和紙貼りや布裂地の施工に秀でている。また、多能工でもあり、業種を越え豊富な知識と経験で現場指導や技能検定での検定員を務めている。また、後進育成にも注力し指導育成、技能継承に邁進している。

仕事に対する思い
若い頃に作品の微妙な違いが造り手によるものだと気づき、造り手の経験や考え方で作品に違いがあることが解りました。骨組みや縁の選択、壁の和紙貼り等、土地柄や造られた年代にもよりますが、造り手の意図が理解出来る様になり、そこから更に仕事への面白味が増したのを覚えています。重要文化財の修復では、作られた時代の材料に近い物を探し、時には新たに製作を依頼し完成にこぎ着けた時の安堵感は忘れがたいものがあります。作品は依頼者にとって掛け替えの無い物ですから入念な準備と時間をかけて仕上げ、満足していただける様に努めています。何よりも、この仕事には終わりが無いことが私を楽しませてくれます。

名工からのメッセージ
表具の仕事は、多岐にわたります。掛軸や額装、襖や屛風そして壁貼り等ありますが、それだけで満足するのではなく、専門領域にこだわらず様々な仕事へ挑戦する事、経験する事が大切です。古い物や唯一の物に向かう時、経験の必要性を感じると思います。一人前になるには10年掛かると言いますが、根気よくコツコツと経験と知識を積み上げる事と、チャレンジ精神を忘れない事を大切にしてください。

この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など
これまでの主な表彰歴
〈知事・行政機関の局長表彰等〉
・優秀技能者表彰(令和元年11月)
受賞歴
全技連マイスター 平成28年度 認定 表装職種
技能グランプリ 第23回大会 壁装職種 第2位
技能グランプリ 第25回大会 壁装職種 第2位