現代の名工Navi
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印判師
長谷川 博一(はせがわ ひろかず)
56歳
就業地: 大阪府

受賞年度
2023年
所属
辻美堂
プロフィール
幼少のころから図画工作を得意とし、ゴム印業を営む祖父の勧めで印章彫刻の道に入る。現代の名工であった故二階堂五男氏の元で木口彫刻に励み、第25回全国技能グランプリにおいて内閣総理大臣賞(第1位)受賞など、数々の賞を受賞する。現在は現代の名工である辻太一氏の元、印章木口彫刻の第1人者として手彫り印章の彫刻を営みながら、一般市民への啓蒙活動や後進の育成に励んでいる。
※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。
技能の紹介
18歳から現在まで、印章木口彫刻を研鑽。手彫りの際、印面に印章文字を手早くかつ美麗に書き上げる技能に長けており、第25回全国技能グランプリでは初挑戦にて内閣総理大臣賞を受賞。また、業界の展覧会では角印など木口彫刻の他、篆刻においても作品を出展し数多くの作品が表彰を受けている。ものづくり事業においては高い技能と知識を定期的に参加者に披露しており、積極的な啓蒙活動を続けている他、大阪府印章技能士会主催の技術講習会にて年10回、後進の指導を積極的に行っている。

仕事に対する思い
印章彫刻を長く続けて思うのは、「周りの環境が自分を成長させる」ということです。故二階堂先生の元では兄弟子、弟弟子と仕事をしつつ、展覧会の作品を競って彫刻していました。当時は仕事をしながら余分な彫刻をさせられて…という思いもあり、大変でしたが、その苦労が今の自分の技能の礎になっていると思います。また、現在の職場での師である辻先生は高齢ながら今でも手彫りで細かい仕事をしており、そのたびに刺激を受けています。同業者の集まりでも作品や技能の話を情報交換しており、一人では知りえなかった知識をたくさん得ることができます。このような様々な環境のお陰で、今の自分が一人前になれたのかなと思っています。

名工からのメッセージ
まずは「はんこ」という文化にたくさん触れてほしいと思います。書道の展覧会に行けば、必ず左下に作者のはんこが捺されていますし、和菓子屋などの紙袋にも隅に捺印がされていたりします。もっと言うと、誰もが触れる「紙幣」には両面にはんこが捺されており、表と裏で朱肉の色も文字の形も大きく違うのです。多くの「はんこ」を知って深い興味を持ったら、更なる深い道へ進む事を検討してください。
この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など
大阪府印章技能士会では毎月(8月12月を除く)第4日曜日に職人の勉強会を開催しています。職人を対象とした会ですが、一般の方の参加・ご見学も大歓迎です。印章彫刻のための道具の扱い方や、印稿(印章彫刻の印影原稿作成)の指導、書道の指導添削なども行っております。
これまでの主な表彰歴
〈大臣表彰〉
・第23回全国印章技術大競技会 木口角印・小篆の部 経済産業大臣賞 (令和2年10月)
・第25回全国技能グランプリ 第1位 内閣総理大臣賞 (平成21年3月)
〈知事・行政機関の局長表彰等〉
・大阪府知事 優秀技能者表彰 (令和元年11月)
・第13回大阪府技能競技大会 第1位 大阪府知事賞 (平成13年11月)
〈全国レベルの業界団体表彰等〉
・第21回全国印章技術大競技会 木口角印・小篆の部 札幌市長賞 (平成28年9月)
受賞歴
全技連マイスター 平成30年度 認定 印章彫刻職種
技能グランプリ 第25回大会 印章木口彫刻職種 第2位