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漆器工

斉藤 慎二(さいとう しんじ)

 65歳

就業地: 富山県

斉藤 慎二(さいとう しんじ)

受賞年度
2023年

所属
斉藤漆工房

プロフィール
塗師屋を営む家の四代目であるため、ものづくりに興味があった。24歳という少し遅いスタートではあったが、家業に入って父の教えを受けながら修業を開始した。高岡市漆器組合の研修や高岡市漆器技術研修等でさらに技能の研鑽を積む。産地の職人として生活用品の製作をしながら、自分自身の作品制作にも取り組み、様々な変り塗りを手掛け、歴史に埋もれ廃れてしまった塗りの復元にも挑戦している。

※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。

技能の紹介

漆器工の仕事に長年従事し、伝統技法である高岡漆器の塗り全般に優れた技術を有している。特に、漆の選別や刷毛塗りの技術に卓越しているほか、変わり塗り技術にも優れ、塗り・乾燥・研ぎの繰り返し工程の中で漆特有の性質・質感を生かした不規則な模様を作品の表情とし、色のグラデーションやバランスを考慮した作品制作を可能としている。また、伝統工芸の匠として継承者の育成指導に尽力するほか、児童生徒や一般向け体験で講師を務めるなど、後進指導・普及啓発に大きく貢献している。

技能の紹介

仕事に対する思い

漆塗りは工程が多く一つ一つの工程に時間がかかります。また、漆塗りには湿度管理が非常に重要で天候や室内環境など様々な条件を考慮しながら、偶然の産物ではない作品作りを心掛けています。長い製作期間の中で自分のイメージする理想形にどれだけ近づけられるかを探りながら仕事をしています。塗っては研ぎ、塗っては研ぎを繰り返し、完成したときのしっとりとした肌触りに喜びも増します。また、産地に伝わる様々な変り塗りにも心を惹かれ、自分自身の作品に取り入れ復元を試みるなど伝統技術の伝承にも心を砕いています。

仕事に対する思い

名工からのメッセージ

塗師の仕事は大変奥深く、様々な技法があり、追及するととても楽しいです。一人前になるには忍耐強さと、自然を受け入れる心が必要となりますが、仕事を身に付けていく過程で自然と忍耐強くなっていくし、ならざるを得ないと思います。

仕事に対する思い

この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など

・塗師に弟子入りし修業をする。
・漆器技術研修会などで技能を学ぶ。

これまでの主な表彰歴

〈大臣表彰〉
・経済産業大臣表彰 伝統的工芸品産業功労者 (令和4年11月)

〈知事・行政機関の局長表彰等〉
・富山県知事功労 技能・職能部門 (令和4年11月)
・中部経済産業局長表彰 伝統的工芸品産業功労者 (平成30年11月)

〈全国レベルの業界団体表彰等〉
・日本伝統工芸士会功労者表彰 功労者 (令和3年11月)
・日本漆器協同組合連合会組合功労者表彰 組合功労者 (平成30年5月)

〈その他〉
・高岡市伝統工芸産業優秀技術者表彰 優秀技術者 (平成8年2月)

受賞歴