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時計企画開発技術者

川内谷 卓磨(かわうちや たくま)

 45歳

就業地: 千葉県

川内谷 卓磨(かわうちや たくま)

受賞年度
2023年

所属
セイコーウオッチ株式会社
幕張オフィス

プロフィール
東京工業大学卒業後、プロのミュージシャンを目指して活動をしていたが、29歳の頃、「手先が器用だから時計職人はどうか」という母の一言をきっかけに時計職人を目指す。時計学校を卒業後、セイコーインスツル株式会社(現セイコーウオッチ株式会社)に入社。機械式複雑腕時計において、二つの独立した機構を同軸で一体化した世界初の新機構を考案し、ジュネーブ時計グランプリのクロノメトリー賞を受賞。開発・設計・組立を高レベルで行える業界の第一人者である。

※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。

技能の紹介

時計構造に関する深い知識、専任の組立技能者(現代の名工)に比肩する組立調整技能、特徴的な基本設計と複雑機構を見せる美しいデザインの部品装飾仕上げ技能を有している。超高額機械式腕時計の商品開発において、コンスタントフォース機構とトゥールビヨン機構という二つの独立した機構を同軸に配置し一体構成した構造を世界で初めて考案・実現させた。また、腕時計の様々な機構の知識や、組立技法および装飾技法を後進に伝え、共に開発を進めることで自己の卓越した技能を伝承している。

技能の紹介

仕事に対する思い

1番大切にしていることはひとつの時計が完成した時に何が起こるか、先の未来を想像することで得られるワクワク感です。これは仕事を進める重要なモチベーションです。表彰のきっかけとなった機械式複雑時計は世界初の新機構を搭載した時計として、プロジェクトの開始から商品化まで10 年かかりましたが、新しいものを生み出す興奮は大きく、完成した時に喜んでくれる人を想像するとワクワク感は途切れませんでした。また、デザイナー等の他分野のエキスパートと仕事ができることも魅力です。自分では思いつかない目線からのアイデア等はとても新鮮で、その要求に応えることが新たな発想に繋がるなどエキサイティングな仕事ができています。

仕事に対する思い

名工からのメッセージ

働くうえで大事なのは、自分の仕事に対するワクワク感を持ち続けることです。そのためには、自分が形にしたもので誰が喜ぶのか、誰の役に立っているのかをイメージすることが大切です。技能を高めることは重要ですが、とらわれすぎてはいけません。技能は誰かの喜びを生み出すためにあります。常に想像力を働かせて、先の未来をイメージし、仕事に向き合ってほしいと思います。

仕事に対する思い

この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など

これまでの主な表彰歴

・関東地方発明 発明奨励賞 受賞 発明名称 定力機構付きトゥールビヨン(令和5年11月)
・千葉県の卓越した技能者表彰 千葉県の名工(令和4年12月)

受賞歴