現代の名工Navi

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顔師

宮田 肇(みやた はじめ)

 79歳

就業地: 東京都

宮田 肇(みやた はじめ)

受賞年度
2023年

所属
宮田メーク

プロフィール
歌舞伎好きだった母親に小さい時から歌舞伎の公演に幾度となく連れられ、子供心にも舞台上で華麗に舞う役者の姿に魅了される。馴染みとなった関係者に誘われ、顔師の世界に入り、厳しい修行を経て技能を向上しながら、サラリーマンとして送配電工具や金具の設計開発も行ってきた。二足の草鞋を履く二刀流として、国立劇場の公演や名だたる舞踊家の舞台にも欠かせぬ存在であり、伝統芸能を支える大役を果たす。

※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。

技能の紹介

当人は約50年に亘り、顔師として日本舞踊や新舞踊等の演者に対し化粧を施すことで、日本の伝統舞台を支えてきた。
その実力は業界の中でも評価が高く、藤川流家元の藤川澄十郎の「藤川流45周年記念特別公演」においても顔師として参加している。後進育成にも積極的であり、弟弟子2名、他の親方に就く5名の顔師の指導も行っている。また、日本初の顔師の技術本の製作に勤しむ等、多方面において業界の発展に貢献している。

技能の紹介

仕事に対する思い

修業時代の最初のうちは、親方に座布団やお茶を出し、手足を塗るだけです。そして、親方が化粧を施す様をずっと見て、見取り稽古に明け暮れました。電車の中でも、人の顔をじっと見て化粧の研究をしていたから、変な人と思われていたでしょうね。舞台化粧には、隈取りという基本型がありますが、人の顔は千差万別です。さらに、舞踊家さん本人のリクエストや会場によって照明の違いもあります。それらを踏まえて、如何に舞台映えするようアレンジできるかが腕の見せどころです。今でも反省することは多いですが、顔の出来が良いと舞踊家さんが喜んでくれるとやり甲斐を感じますし、次の公演で「前にやってくれた人」と指名があると、本当に嬉しいですね。

仕事に対する思い

名工からのメッセージ

化粧の施し方は見て覚えるものでしたから、写真を撮ったりすることは禁じられていました。ですが、今はそんな時代じゃないですし、この技術を後世に伝えるため、化粧道具の製作方法から舞台や舞踊家さんに合わせた化粧の施し方まで解説する技術本を著しました。決して楽な世界ではないですが、顔師は伝統芸能を支え、人に感動を与えることのできるやり甲斐のある仕事です。少しでも興味があれば、臆せず飛び込んできてもらいたいです。

この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など

これまでの主な表彰歴

〈知事・行政機関の局長表彰等〉
・東京都優秀技能者 東京マイスター 知事賞 令和2年11月
・荒川マイスター表彰 平成25年10月

受賞歴