現代の名工Navi
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紳士服仕立職
瀧 こと代(たき ことよ)
81歳
就業地: 静岡県

受賞年度
2023年
所属
コトヨ洋服店
プロフィール
静岡県出身。幼少期から動くものに興味があり目覚まし時計など様々なものを分解した。17歳の時、女性であることを理由に紳士服職人への弟子入りを断られたことをきっかけに、本を頼りに独学で学んだ。父の背広をほどいて何着もつぶし、技能を身に付けて地元に洋服店を構えた。その後、交通事故に遭い左腕に障害を抱えたが、持ち前の負けん気とプラス思考により障害を乗り越え、国際アビリンピックで銅メダルに輝いた。
※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。
技能の紹介
紳士服製造について独学で技能を磨き、顧客の体型や好みなどに合わせて精緻な製図を行い、後工程の仮縫いで手直しを発生させないことを心がけて日々技能の研鑚に努めた結果、県外からも依頼が来るようになった。自身が左上肢の機能障害となった後、技能向上を目的として出場したアビリンピックでは、国際大会に洋服・洋裁の二種目に出場し、洋服種目では銅賞を受賞した。また、障害のある方や子育てによる離職者などに対して技能指導を行い、就職や開業へと導いた。

仕事に対する思い
当時、紳士服仕立ては男性がやるもので女性は誰もいませんでした。負けん気の強い私は「誰もやっていないからこそ、自分がやってみよう」と思いました。男手一つで育ててくれた父に、自分が試作した紳士服を渡すと、父は他の人に「娘が作った服」と自慢しながら着てくれていました。しばらくして、父から「一国一城の主になれ、間口を広げるな」と言われて起業しました。お客様一人ひとりの好みや体型に合わせて採寸し、製図・型紙作成後に仮縫いを行います。常に心がけていることは「絶対に仮縫いで補正を出さないこと」です。これが信頼に繋がるからです。納品の時にお客様が喜んでくれる笑顔を見た時に一番の達成感があります。

名工からのメッセージ
若い時は期限を決めて色々なことを試し自分に合った仕事を見つけてください。仕事に就いたら小さなミスもありますが、次にミスしないように改善すればいいだけです。何事もプラス思考で乗り越えてください。交通事故で手が動かなかった時は、生地を足で押さえてやりました。使えば必ず動くようになります。障害のある人達には「洋裁の仕事は天候に左右されずに家の中ででき、何よりも周りの人達にも喜んでもらえること」を伝えたい。
この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など
これまでの主な表彰歴
・静岡県技能士会連合会主催技能競技大会 洋服職種Bコース 最優秀賞 (平成11年11月)
受賞歴
国際アビリンピック 第7回大会 洋服-紳士服職種 銅賞
全国アビリンピック 第32回大会 洋裁職種 金賞
全国アビリンピック 第29回大会 洋服職種 金賞