現代の名工Navi
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歯科技工士
中澤 昇一(なかざわ しょういち)
57歳
就業地: 東京都

受賞年度
2023年
所属
和田精密歯研株式会社
東京ラボ
プロフィール
先天性感音性難聴で生まれ、私の器用さを見た祖父から、ものづくりの職に就いた方が将来安定した生活を送れると力説されたなどの影響により、歯科技工士を選ぶ。筑波大学附属聾学校歯科技工科卒業後はラボで1年勤務し早稲田歯科技工トレーニングセンターに入学。卒業後は和田精密歯研株式会社に入社。その後はドイツ歯科技工マイスターのラボへ転職し、ドイツ流歯科技工を学んだ。そして和田精密歯研株式会社に復帰し現在に至る。
※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。
技能の紹介
氏は、聴覚障害を持ちながらも歯科技工士としてセラミックの補綴物(ほてつぶつ)の製作における卓越した技術を要する。失われた歯を作るにあたって前の状態に限りなく近い再現力、尚且つ隣り合った歯との調和させる技術に長けている。また、アビリンピックにおいても金メダルも獲得している。さらに、後進指導に関しても、自分の仕事の合間に後輩の指導やアビリンピック参加希望者に対し、助言と指導を行っている

仕事に対する思い
虫歯などにより歯を削る、抜く事が必要になった際の詰め物や被せ物、入れ歯などの加工、修理を一貫して手掛ける仕事である歯科技工を30年以上携わっています。この仕事は精密な加工技術と患者ごとに異なる歯の色や形に合わせる技術力が求められます。特に私が携わっているポーセレンワークは陶器に似た性質を持つセラミック材(ポーセレン)を金属フレームに盛り付け、焼成する仕事です。患者さんの口腔内の隣り合う歯の色調や全体の外観に関する審美性を求められ、熟練した技術が必要となります。そして一番難しいのは患者さんを笑顔にする事です。自分が良いと思っても、患者さんが実際に付けてみて満足しなければ駄目です。患者さんごとに求める内容が異なる中、喜んでもらえる補綴物を安定的に作れる技術を持つことが理想的です。

名工からのメッセージ
ものづくりはどうしても壁にぶつかる時があります。強い意志を持ってどんな苦労や困難にも挫けない心を持たないと大成しません。不撓不屈の精神を持って自分の仕事について「何故」を追求し、時には先人達の言葉に耳を傾けて自分にプラスになるなら、どんどん吸収してほしいと思います。
この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など
早稲田歯科技工トレーニングセンター
大阪セラミックトレーニングセンター
補綴専門誌QDT(クインテッセンス出版株式会社)に載っている実習コースや講演会
これまでの主な表彰歴
〈大臣表彰〉
・全国障害者技能競技大会 厚生労働大臣表彰 金賞 (令和3年12月)
〈知事・行政機関の局長表彰等〉
・独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構 全国障害者技能競技大会 金賞 (令和3年12月)
受賞歴
全国障害者技能競技大会 第41回大会 歯科技工部門 金賞 (令和3年12月)