現代の名工Navi
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陶磁器製造工
石川 吉彥(いしかわ よしひこ)
80歳
就業地: 宮城県
受賞年度
2025年
所属
安養寺窯
プロフィール
沖縄県宜野湾市出身。高校卒業後、上京し就職。趣味の盆栽の鉢でも作ろうと窯元を訪ねたが、粘土に無知で私だけが作れなかった。本屋で見つけた「陶芸の伝統技法」「陶芸の釉薬」を何度も読み返した。読み始めて3年、本の中に見つけた幻の「木の葉天目」を作ってみたいと強く想い、妻の地元の仙台へ移住し、「安養寺窯」を構えた。作陶を始め独学で「木の葉天目」を完成。その後、自助具の世界に進み「酒勾瓶(しゅこうびん)」を完成させた。
※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。
技能の紹介
陶磁器の空洞収縮率の活用法における業界第一人者である。
陶磁器の楕円空洞に中指と薬指が入る構造にすることで、握力が弱くても手から抜け落ちないユニバーサルデザインの「酒勾瓶(しゅこうびん)」の開発に成功した。楕円(だえん)空洞が不均衡であるため、本焼き後の収縮で壊れてしまう課題があったが、形状による収縮の違いを見極めて改良を重ね、九個の部品を貼り合わせる技法によって、課題を解決した。
また、工房で陶芸教室の講師として技術指導を行い、基礎から専門的理論や実践までを教えている。
仕事に対する思い
中国宋時代の吉州窯で焼かれた重要文化財「木の葉天目」の再現は、完成まで20年の計画を立てて始めましたが、一生のうちにできるかどうかの真剣そのものでした。専門書を買いあさり、幾度も失敗しながら「木の葉天目」を完成させました。さらに、木の葉を茶碗の内側から外側に折り曲げる技術も完成させ、新聞にも取り上げられたのが20年目でした。その後は、ユニバーサルデザインの本から自助具という未知の世界に進み、誰にとっても自分の力で使いやすい陶磁器を作り続け、5年の歳月をかけ完成したのが「酒勾瓶」です。
名工からのメッセージ
師匠にはつかずに専門書から学ぶのもよいと思います。私は師匠にはつかず、独学で習得しました。師匠は知っていることしか教えられないが、専門書は全て載っており、自分の好きなところから入れます。残りは訊けばいいし、苦労することも一番です。自分だけにしか作れない、達成感は図りしれないものがあります。
陶芸は種類が多く、熟練を要しますが、自分流の努力で付加価値を付け、使い手のために作ることも後生の人に伝えてもらいたいと思います。
この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など
この技能を学ぶために役立つ窯元はたくさんあります。窯業訓練所がよいかもしれません。また、たくさんの本があり、百人百様のやり方があります。自分にあったものを先輩たちに相談されるとよいと思います。
これまでの主な表彰歴
<大臣表彰>
・国土交通大臣賞 第62回全国推奨観光土産品審査会 グローバル部門 (令和3年11月)
<知事・行政機関の局長表彰>
・宮城県卓越技能者表彰 (平成21年11月)
<その他>
・仙台市技能功労章 (平成22年11月)
・日本商工会議所会頭賞 第47回全国推奨観光土産品審査会 (平成19年2月)