現代の名工Navi
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染物・仕上工
平良 美惠子(たいら みえこ)
74歳
就業地: 沖縄県

受賞年度
2023年
所属
芭蕉布織物工房
プロフィール
結婚相手が大宜味村喜如嘉(きじょか)の出身だったことから喜如嘉の芭蕉布(ばしょうふ)に従事。学生の頃から伝統工芸や、特に芭蕉布には興味があった。特別な才能はないが、なんとか今まで続けている。現在は、沖縄県内だけでなく国内外での展示会やワークショップで喜如嘉の芭蕉布の普及活動に努めている。
※年齢・所属はいずれも表彰時のものです。
技能の紹介
喜如嘉の芭蕉布は、糸芭蕉の栽培・糸績み、織まで総て手仕事である。技法の保存、継承はもとより、世界唯一の織物としての知名度向上や、ブランド化に向けた国内外への情報発信の先駆的な取り組みは、沖縄の伝統工芸品の模範となっている。また、沖縄県立芸術大学の講師、児童・生徒対象のワークショップでの染織指導等、芭蕉布の啓発、普及に尽力。40年以上も喜如嘉芭蕉布事業協働組合を牽引する他、NPO沖縄県工芸産業協働センターの副理事長として、伝統工芸産業の振興に多大な功績を残している。

仕事に対する思い
大切な衣食住の「衣」の部分を作る仕事だから相当な覚悟を持ってやらなければいけないと思います。植物を育てるところから始まり、糸を作り、織って芭蕉布を作るには様々な教養が必要な仕事です。また、1 人ではなく、沢山の人手がかかる喜如嘉の芭蕉布は、次の人のことを考え「思いやり」を持って、みんなで同じ思いでつくることで、上質の良いものが出来ると考えています。また、ファッション業界の最先端をいく海外ブランドメーカーが、わざわざ喜如嘉の芭蕉布を視察に来たりしています。大宜味村の片田舎でやっている仕事でも世界の最前線に出て誇れる仕事だと思います。喜如嘉の芭蕉布は魅力ある布です。

名工からのメッセージ
「忍耐も才能」だと思います。糸は1日で約20 グラムほどしか作れないのです。共同作業も多くありますから、1人だけでは仕事は進めにくいです。思いやりを持って仕事に就いてほしい。また、伝統は「真似」から始めないと出来ません。自分のスタイルでやるのではなく、まずは「真似」をして学んでほしいです。
この技能を学ぶために役立つ訓練機関や習得法など
これまでの主な表彰歴
〈大臣表彰〉
・経済産業大臣「伝統的工芸品産業の振興・貢献」 (平成14年11月)
〈知事・行政機関の局長表彰等〉
・財団法人産業教育振興中央會会長「産業教育の振興・貢献」 (平成10年2月)
〈その他〉
・沖縄タイムス社「功労賞(工芸部門)」 (令和4年2月)
・琉球新報社「文化・芸術活動部門」 活動賞 (平成29年2月)