グッドスキルマーク

技 GOOD SKILL

事例

04

2019

お客様の理解から始まるれんが積みとタイル張り

  • タイル張りの洗面台

    タイル張りの洗面台

  • れんが積みの塀

    れんが積みの塀

平成30年度 認定 タイル張り工事/れんが積み工事

大野タイル
工事店

大野おおの 繁幸しげゆきさん

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昭和50年、大野タイル工事店を創業。
平成28年度ものづくりマイスター、平成14年度神奈川県優秀技能者、平成28年「日本建築仕上学会」学会賞、平成23年度相模原市技能功労者、(一社)日本タイル煉瓦工事工業会会長、(一社)神奈川県タイル煉瓦協会理事長

歴史的な建物や設備に学ぶれんが積み

れんがは、時間が経つと苔が生えてきたり、色が白っぽくなったりと味わいが出てくるのが魅力で、ズラリと並んだ姿は、他の素材にはない重厚感があります。

れんがは耐震基準の関係で新築の構造部分には使えないため、低い壁、花壇(かだん)などで使用されています。ただ、明治時代など昔につくられた建物の中には、れんがづくりのものがいまだに残っているんです。そうした歴史的な建物の修復に関わることは、勉強になりますね。

一方で、難しさもあります。以前、明治初期に建造されたれんがづくりの煙突を修復した時のことです。歴史的な設備だったため、れんがを極力再利用しなければならないので、解体前に全てのれんがに番号を振っておく必要がありました。れんがは一つずつ微妙にかたちが違うため、置く場所が変わると元通り組み上げることができないのです。修復にはそうした手間があります。また、一度経験済みの作業は問題なくこなせますが、歴史的な建物や設備の修復は何度もあるものではありません。当時の図面が残っていないものがほとんどですから、一度きりの作業と思って集中して取り組む必要があります。

緊張感という点では、新しいものをつくる際も同じなのかもしれませんね。どうすればお客様に喜んでもらえるのかと、常に責任感を持って仕事に臨んでいます。

お客様の“要望超え”を目指すタイル張り

タイルは外装材、床材や内装材など様々な用途で使われています。昔は、コテで下地となるモルタルを塗り、その上からタイルを張っていました。今は接着剤を使う工法が一般的で、簡略化されかつ短時間で作業できます。しかし、厚みの異なるタイルを表面の位置を揃えて張るなど、下地の厚みを自由に変えられるモルタル張りでなければできない施工もあります。お客様の要望に応えていくためには、様々な施工方法を習得しておく必要があるでしょう。

例えば、タイルの裏にモルタルを付けながら、下から上へと積上げるように張り付けていく「積上げ張り(だんご張り)」の技能があれば、曲面のタイルも扱えるようになり、お客様への提案の幅も広がります。

私はお客様のことを理解した上で、要望を超えるものを提案し、完成までお客様と一緒になって取り組むことこそが、仕事の醍醐味だと考えています。自らが積極的に提案するというのは、絶対に失敗できないという“不安”を伴うものです。裏付けとなる技能も伴わなければいけません。そうした仕事の醍醐味と覚悟、それを支える技能を伝えることも私の大切な務めだと考えています。

こだわりのコテ

「コテ一本で稼ぐ」職人の生き方に憧れ、コンピューター・プログラマーから転身した大野さん。最初に買ったという思い出のコテは、長年だんご張りに使用していたため、親指が当たる把手の部分がすり減っています。最近は、だんご張り施工が少なくなったため、把手がすり減る事が無くなり、丸いかたちを保つようになったといいます。

技能検定

タイル張り(タイル張り作業)/
れんが積み(れんが積み作業)

タイル張り(タイル張り作業)は、タイル工事段取り、張付け材料の調合・混練、製図、関係法規などタイル工事の施工に必要な技能・知識が対象です。れんが積み(れんが積み作業)は、施工法や材料、建築構造、製図などれんが積み工事の施工に必要な技能・知識を対象としています。

大野繁幸/大野タイル工事店

〒252-0327 神奈川県相模原市南区磯部1436-7
TEL 046-254-8591