グッドスキルマーク

技 GOOD SKILL

事例

16

2021

技能士の技と心を込めたオーダーメイドの金澤貼函(はりばこ)

令和元年度 認定
紙器 貼函(金澤貼函)

株式会社
竹山紙器

竹山たけやま 雅万まさかずさん

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昭和35年創業の竹山紙器で取締役会長を務める。昭和54年度1級技能検定紙器・段ボール箱製造(貼箱製造作業)に合格。平成26年ものづくりマイスター、平成29年全技連マイスターに認定。平成21年藍綬褒章

贈る人の心を引き立たせる「函づくり」

金沢は古来、加賀百万石の時代より芸能文化と伝統工芸の盛んな地として繁栄を極めて来ました。その中には茶道も盛んに行われ、結果として和菓子も数々造られ上用生菓子・上用饅頭・朝生菓子と多様な品々が創作されました。和菓子の隆盛な中に、自ずとそれらを包む「函」も種々作られ、現在もそうした和菓子と紙器は根強く「こだわり」を継承し息づいております。華やかさの中に包むという奥ゆかしさ、大切な方へのおくり物に心をこめて贈るといった様々な想いを託された「函」は、単なる商品を包むということのみならず、贈る人の心のこもった和菓子や伝統工芸品をよりいっそう引き立てさせるという、重要な意味と役割を果たしております。私たちは、そのような文化、伝統に裏付けされた金沢の地から生まれた「貼函」の継承者として、和菓子・伝統工芸品への「こだわり」をもって、函づくりの原点を、大切に守り続けております。

貼箱を製造する際は、まずは中に入る品をしっかりと把握した上で作業に取り掛かります。中身はどんな形状・大きさをしているか、数量や重量はどれくらいになるか、材質や見た目は、質感はどんなものか、などです。結局は、贈り品を引き立たせることが貼箱の役割なので、最適な箱をつくるためにはとにかく中に入る品を最重視し、それについてあらゆる角度から確認します。それから、箱の形状や紙の質感を検討し、常時1000種類以上を取り揃える紙の中から適したものをご提案します。こうした対話を繰り返し、オーダーメイドでの箱づくりに勤しんでいます。

貼函づくりの工程ごとのチェックを欠かさない1級技能士たち

一番大切な貼函づくりは、まず商品の企画デザインは当然ですが、使用素材の選択、そして貼函の生産工程の手順にあります。

使用板紙、貼り紙の裁断→生地への罫線入れ→角隅切り→角隅止め→板紙生地と貼り紙の貼り合わせ(ニカワ糊の使用)、特にこの貼り合わせ時点での接着素材ニカワ糊の使用が貼函の良し悪しを左右します。

日々変化する金沢の気候による温度・湿度を常に計算の上、ニカワ糊の塗布量、濃度、溶解温度の設定、貼り加工のスピードに合わせての貼り手順とともに仕上げ工程に続きます。

このような工程の中にあって要所ごとに技能士、1級技能士を配し、品質向上管理を行なっております。1級技能士は、箱の展開図の作成から箱の製作までを正確に行う基本技能をしっかりと身に付けているため、様々なデザインニーズへの対応や、温湿度による紙の伸縮も見据えた工程上の微調整まで柔軟に対応できるのが強みです。一つひとつの貼函に金沢ならではの「おもてなしの心」を込め、石川ブランド「金澤貼函」に託しております。大切な品を贈る人、いただく人の気持ちがつながるようにと努めております。

これが心を包む貼函の竹山、「ブランド金澤貼函」竹山紙器です。

こだわりの合口

「合口」とは、貼箱の蓋と身が合わさる箇所をさします。箱の気密性や開閉のしやすさに関わるため、コンマ単位での調整が求められます。当社では、中に入れる品やその形状・重量などに応じても合口を調整。ストレスなく、また気持ちよく開閉ができるように工夫しています。

紙の伸縮特性までを計算に入れた難しい作業ですが、基本技能をしっかり身に付けた1級技能士の応用力が発揮されています。

貼箱は、長期間に渡り使われることも多いため、良い状態を保ち続けられる強度で製造しています。

技能検定

紙器・段ボール箱製造(貼箱製造作業)

紙器・段ボール箱製造(貼箱製造作業)は、紙器と段ボール箱の製造を対象としています。貼箱製造作業では、貼箱の展開図を作成して箱を作成し、のり付けを行う技能・知識と、併せて、製造、材料、品質管理、電気、安全衛生などの知識も対象としています。

竹山 雅万/株式会社 竹山紙器

〒920-0941 石川県金沢市旭町3丁目1-10
TEL 076-262-2481
https://www.takeyamashiki.com/