石川の伝統的建造技術の習得・継承及び後継者の育成活動
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平成29年度上半期
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石川の伝統的建造技術の習得・継承及び後継者の育成活動とは
○石川県内の伝統的建造物復元に係る専門工事業の諸団体と連携して、技術の習得・継承等を図るとともに、広く県民を対象に伝統的建造物の見学やセミナーを実施する取組。
◆金沢城菱櫓(ひしやぐら)等の復元工事を手がけるにあたり、9職種の組合が集結。単に復元だけでなく、伝統的建造技術を次世代に継承する機会として後継者育成にも努める取組が評価された。
◆また、広く県民を対象に金沢城復元「匠の技」セミナー等を通じて、伝統工法の大切さ、技術の高さ、技能の重要性等を啓発する取組が評価された。
取組の詳細
○本県は藩政時代からものづくりに対する意識が高く、伝統産業や大工、左官といった職人文化も定着しており、これまで多くの伝統的建造物の建設に貢献してきたところであるが、近年は人材不足が課題となっている。こうした中、石川県が金沢城公園整備計画の一環として、金沢城菱櫓等の復元に向けた動きが始まると同時に、平成12年2月に石川県建築組合連合会を始めとする九つの組合が結集し、以後、菱櫓、五十間長屋、橋爪門続櫓及び河北門などの歴史的建造物の復元工事を手がけてきた。実際の復元にあたっては、「本物志向、真正性の追求により、史実性の高い整備を行う」との基本方針を踏まえ、史実の十分な調査と検証を行い、職人の立場で県の設計にも協力した。また、この金沢城公園整備工事を通じて、技術の研鑽と後継者の育成にも努めている。
○セミナーの開催
一般の県民を対象に伝統的技術を理解していただくため、公共建築月間に併せて今回で13回目となるセミナーを開催した。
【平成28年度 金沢城復元「匠の技」セミナー】
開催日時:平成28年11月12日(土)
開催場所:金沢城公園内
内 容
金沢城復元工事のこれまでの経緯、進捗状況等を説明し、9職種の熟練技能者から専門工事における工法の特徴、取組み事例などを紹介した。また、参加者に体験コーナーとして、左官職人の指導を受けながら、こてを使って海鼠(なまこ)壁の目地に漆喰(しっくい)を上塗りしたり、壁の構造材となる竹木舞を縄で固定する作業を体験してもらい、伝統工法の大切さや技術の高さを感じ取ってもらった。
取組のアピールポイント・特徴・取組の効果
各専門分野の高度な技術力が必要とされる復元工事において、個々の技術力を総合的に結集するための中心的な役割を果たしている。
また、建築工法の合理化・近代化に伴い、職人の手から手へという技術の伝承方法が機能しにくくなった中、これらの復元工事を絶好の機会と位置付け、単に復元するという、形に見えるものだけではなく、古来からの財産である伝統的建造技術を次世代へ継承していく役割は大きい。
その他、貴重な歴史的文化遺産を後世に継承し、本県の歴史・文化・伝統を継承する「象徴」として、伝統的技術を通じて、広く一般に技能の重要性等を理解していただくために大きく貢献している。
企業・団体の紹介
石川の伝統的建造技術を伝える会
石川県の職人がその自らの伝統技術をさらに高め、伝統工法に携わる若手・中堅職人を育成し、技術を継承することを目的に、建築大工、石工、左官、建築板金、建具製作、かわらぶき、タイル張り、鳶、造園の九つの組合によって組織された団体である。
- 所在地
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〒920-0022
石川県金沢市北安江4-15-15
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