沖縄県の伝統的漆喰琉球赤瓦屋根施工技法の習得・継承及び後継者の育成活動
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平成29年度下半期
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沖縄県の伝統的漆喰琉球赤瓦屋根施工技法の習得・継承及び後継者の育成活動とは
○首里城等に代表される沖縄県独特の伝統的赤瓦建築文化財とその施工技法を残していくために、その修復をはじめ、沖縄県認定の琉球赤瓦施工技能評価試験を実施し後継者の育成等を図る取組。
◆伝統的な赤瓦屋根の景観を守るために、技能者が自ら危機感を持ち技能評価試験導入を働きかけ、さらには講習会等を併せて開催し後継者の育成に取り組んでいることが評価された。
◆また、継続的に後継者を確保していくためには一般市民や若年者の理解が不可欠と考え、ものづくり体験教室や各種イベント等に積極的に出展するなど、地域振興にも貢献している点が評価された。
[写真:首里城正殿漆喰塗替え作業の様子]
取組の詳細
1.首里城等に代表される本県独特の伝統的赤瓦建築文化財等の修復
本県の赤瓦建築は、瓦葺きと屋根漆喰を同じ職種の瓦職人が完成させる。これに用いる赤瓦は、丸瓦(男瓦)と平瓦(女瓦)からなり、漆喰を組み合わせて葺くことで雨風に強く、吸湿性・通気性にも優れている。それが本県独特とされる景観を形成する由縁でもある。同組合発足後は、後に「現代の名工」を受章する2名の熟練技能者が筆頭となり、中堅ならびに若手技能者への技術指導を進めながら、首里城正殿の漆喰塗り替え、正殿とつながる黄金御殿等の関連建築物等の屋根工事に長期にわたり携わった。平成29年度は本県名護市の国指定重要文化財「津嘉山酒造所施設」の屋根工事にも携わった。
2.沖縄県が認定した琉球赤瓦施工技能評価試験の実施及び技能講習会の実施
地域独特の技法のため、近年まで技術や技法の継承は徒弟制度や縁故による採用に頼ってきた。しかし鉄筋コンクリート建築の急速な普及に伴い、赤瓦の需要は極端に落ちこみ、技能者は高齢化し後継者も育たなくなった。同組合では技術と技法の衰退に歯止めをかけ、技能者の技術の確保と向上を図り、また広く県民に琉球赤瓦について再認知してもらうため、熟練技能者を中心に技能評価試験導入に取り組み県より認定を受け、これまでに累計45名の合格者を輩出した。資格取得者には定期的に熟練技能者による技能講習会を開催して、より高度な技法を伝授している。
3.伝統的琉球赤瓦施工への理解を深めてもらう為の「ものづくり体験教室」の実施
一般向けに同組合独自の取組として「漆喰シーサーづくり教室」を実施するとともに、不定期ではあるが各自治体教育委員会等の企画した体験教室にも参加をしている。また、一般社団法人沖縄県技能士会連合会などと連携し、「ものづくりフェスタ」や県内小中学校での「ものづくり体験教室」への参加等を通して、県内外並びに国際的にも評価されている伝統的漆喰琉球赤瓦屋根建築の魅力を伝える周知・普及活動を行っている。
[写真:技能評価試験の瓦葺き(左)と漆喰塗り(右)の様子]
取組のアピールポイント・特徴・取組の効果
本県の伝統的赤瓦屋根の景観が県内外から評価されて久しい。景観を維持・継承する事業は、後継者の育成が急務で重要な課題である。景観を継承発展させていくには、広く県民の理解や後継者育成への取組への協力が一層必要となる。特に今までの縁故や世襲、徒弟制度での人材育成では間口が狭く、一般県民や若年者からの興味や理解を得ることはできないと考える。
ものづくり体験を通して未来の人材の確保、また技能者の意識向上や技能向上に積極的に取り組み、ひいては若年者への琉球赤瓦施工への魅力の周知と普及に積極的に取り組みたい。同組合が他団体と連携し取り組んでいる小学校等での「ものづくり教室」では、年々体験者数が増えている。
[写真:一般の方向けのものづくり体験の様子]
企業・団体の紹介
沖縄県琉球赤瓦漆喰施工協同組合
1.瓦工事の共同受注 2.沖縄県認定の琉球赤瓦施工技能評価試験の実施運営ならびに資格取得者への技能講習の実施 3.伝統的琉球赤瓦建築の周知と普及ならびに後継者・若年者人材育成を図るための独自の「職人たちの『漆喰シーサーづくり教室』」の実施、若年者向けのものづくり教室への参加等
- 所在地
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〒901-0416
沖縄県島尻郡八重瀬町字宜次695-4 - URL
- http://orskumiai.web.fc2.com/
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