入職促進
ガイドブック

平成28年度

建設業

左官

左官

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歴史的建造物から一般建築物まで
壁を塗る技術で建設業を支える

建設現場にはさまざまな仕事が存在するが土壁や、塗り壁などを塗るのが左官だ。最近はあらゆるビルの壁、床、天井にコテでモルタルを塗りつけて仕上げたりタイルを貼る、レンガやブロックを積むなど左官の仕事も多岐にわたるようになった。技能者たちが時代のニーズに的確に応えている。

技能者の紹介

技能者の紹介

株式会社イスルギ
訓練生

上田うえだ 朋弥ともやさん

(19歳)入社1年目

株式会社イスルギ 訓練生 上田朋弥(うえだ ともや)さん

出合い

出合い

左官の仕事は
職人らしくてかっこいい

高校で企業の説明会があり左官という仕事を知りました。それまで漠然としたイメージはありましたが、どんなことをしているのかはほとんど知りませんでした。(株)イスルギは姫路城の修復や金沢城の「なまこ壁」、長町武家屋敷跡に見られる「土壁」など、歴史的な建造物を手がけています。また、金沢駅のもてなしドームといった現代の建物にも、左官の技術が使われていることを知りました。その時に見た職人さんたちの働く姿が、とにかくかっこよかったんです。

僕はもともと高校で機械の勉強をしていました。左官は手でつくり上げる職人らしい仕事です。機械とは違った面白さがあると思いましたし、この会社には高校の先輩も何人かいたので、安心感がありました。入社してからの仕事の場は学校や病院、ビルなどもあり、左官の仕事は幅広いと実感しました。

上田さんの1日のスケジュール

習得

習得

厳しいイメージの職人の世界も
実は居心地がいい

(株)イスルギには自社運営の技能訓練校があり、学びながら働いて技術を習得できます。毎週月曜日が技能研修の日で、知識と実技を隔週で学びます。職人といえば厳しいイメージを持っていましたが、まったく違いました。先輩たちは優しく教えてくれます。時には厳しいときもありますが、それは当たり前のこと。最初の頃はなんとなく質問することも怖かったのですが、今はなんでも聞くことができます。ここには仕事の仲間がいて、自分の居場所があると感じます。

左官は外仕事と聞いてはいましたが、暑いときは暑く、寒いときは寒い。寒いときは服を着て調節できますが、夏はとくに大変でつらい時があります。水分と食事をしっかりとって、体力をつけなければと思います。現在は会社の寮で暮らしているので、食事も3食付き。お弁当まで持たせてくれます。感謝の気持ちを忘れず、しっかり技術を習得したいと思っています。

習得

手応え

手応え

少しずつでも
技術の成長を感じられて楽しい

先日、金沢城の休憩場の新築工事があり、その現場で仕事をしました。下地や下こすりなど、漆喰の現場に関われるよい仕事を経験させていただきました。もうすぐ入社して1年。いつもは段取りや掃除などをしていますが、たまに職長がこの壁を塗ってみろと言ってくれます。職長の仕事をいつも見ているので真似をするのですが、自分が塗るとガタガタになってしまいます。最初の頃はもっとガタガタの状態でした。それでも最近は力の入れ方や塗ったあと定木(じょうぎ)で擦(す)る作業など、だんだん職長の言うことが理解できるようになりました。こうして仕事をしていくことで、少しずつですが自分の成長を感じられるのがうれしいです。

大切にしていることは、先輩の話をよく聞くこと。そして、今の目標は卒業試験に受かることです。いつかは群青色(青い石灰クリーム)など難しい材料を塗ることができるようになりたい。そして後輩からもかっこいい職人さんとして見られることが夢です。

先輩から後輩へ

同級生との切磋琢磨が技術の向上につながる

上田くんとは同じ高校の出身です。年代は違いますが、先輩後輩の関係でもあります。私自身も最初は左官が何をするのか、まったく知りませんでした。現在入社から21年目で、技能検定1級、登録基幹技能者を取得しています。講師になって3年目ですが、教える難しさを日々感じています。心がけていることは、とにかくやって見せて、説明して、あとは本人にやらせます。

最初は言われたことしかできませんが、仕事を続けていくとやがて壁に当たる。誰もが経験すると思いますが、恐怖心が出てくるんですね。それだけ仕事のことを理解してきているからだと思います。

左官に向いているのは我慢強い人。そして負けず嫌いな人がいいですね。この訓練校でも同級生と競い合うこと、互いに切磋琢磨できる関係が技術の向上につながります。

技能訓練校 実技講師 坂本仁志(さかもと ひとし)さん

坂本さかもと 仁志ひとしさん(39歳)

技能訓練校 実技講師
入社21年目

株式会社イスルギ

代表取締役社長 石動信明(いするぎ のぶあき)さん

代表取締役社長

石動いするぎ 信明のぶあきさん

左官の仕事は幅広く、お城のような特殊な壁を仕上げるために専門的に育てるか、多能工として育てるかは、人材を見極めて能力を引き出すようにしたいと思っています。将来は仕上げ一括、外装一括、内装一括といった職人さんが育ってほしいと思っています。

〒921-8027 石川県金沢市神田1-31-1
TEL:076-247-4646
http://www.k-isurugi.co.jp

大正6年(1917年)に創業し、今年100周年を迎える。左官工事請負業として、全国でもトップクラスにあり、学校・病院・ホテル等のビルから住宅にいたるまで、外壁・内壁はもちろん、床・天井などの仕上げを行っている。170人ほどの従業員がおり、そのうち140人が職人。貴重な左官技術を後世に伝承するためにも職人の育成を積極的に行っており、自社で技能訓練校も創設している。技能検定に合格した技能士も多数いるほか、技能五輪で世界一になった職人もいる。優れた技能者集団として姫路城や金沢城など国宝や文化財クラスの修復も手がけている。

株式会社イスルギ

※ 所属・役職・年齢・入社年数は取材当時のものです。