平成30年度
製造業
鋳造
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精密な鋳造品で
日本の産業界を輝かせる
自動車生産ラインの産業用ロボットからマンホールの蓋や身近にある水道の蛇口まで金属を溶かし鋳型で固めた鋳造品が使われています。それらは高い技能を持った鋳造技能士によって作られ、日本の製造業をはじめ私たちの暮らしを支えています。
技能者の紹介
技能者の紹介
株式会社キャスト
小林 雅史さん
(23歳)入社5年目
入社したきっかけ
入社した
きっかけ
高校の鋳造実習がおもしろくて
鋳物づくりを志した
工業高校の実習で、様々な技能を体験した中で、自分は鋳造がいちばんおもしろいと感じました。そこで、先生に「鋳造の会社に就職したい」と希望を言ったところ、実家から通える鋳造会社をいくつか紹介してもらいました。その中で、この会社が優れた技術で多様な製品を鋳造していることを知り、入社することを決めました。
私の仕事
私の仕事
製品がきれいにできた時が
最もうれしい瞬間です
鋳造は、製品の設計図をもとにした1つの木型から複数の鋳型(砂型)を作り、その砂型の中に金属を流し込んで製品を作ります。私は入社以来、材料となる金属を溶かす溶解と、砂型への流し込みを担当しています。溶解では、材料となる金属の成分計算が難しく、流し込み作業では、一定のスピードで材料を砂型に流し込んでいくのが難しい点です。砂型を外した時に、不良の部位がなく、きれいに製品ができあがった時が、最もうれしい瞬間です。
今後の目標
今後の目標
先輩たちのように
鋳造技能士の資格を取るのが目標
まだまだ先輩たちのように仕事が上手にできていないので、もう少し経験が必要だと感じています。一度ミスしたら二度としないように心がけています。資格に関しては、入社1年目で、フォークリフト、クレーン、玉掛けの資格を取得させてもらいました。これまで、溶解の工程だけを担当してきましたが、他の工程も勉強して、先輩たちのように鋳造技能士の資格を取るのが目標です。
先輩からの
メッセージ
一人一人のやり方で
技能を磨いていけばいい
私は、鋳造について全く知識がないまま、この業界に入ってきました。最初に教わった先輩が厳しい人でした。つらかったこともありましたが、厳しく教えてもらったおかげで、しっかりと身につけることができました。そして鋳造の奥深さや、ものづくりのおもしろさを理解することができるようになりました。
今は、二人の後輩を指導する立場になりました。私は、自分が教わった時に感じた、教えられる側の気持ちを考えて、わかりやすく丁寧に教えることを心がけています。そして、次につながるのであれば、失敗してもいいと思いますし、自分に合ったやり方で、自分のペースで技能を磨いていけばいいと思っています。
最初はわからないことばかりですが、先輩に相談したり見たり聞いたりできるので、心配しないで入って来てほしいと思います。
株式会社キャスト
技能をマニュアル化して
職人の技を見える形にする
自動車に代表されるように、製造業界では製品の強度を保ったまま軽量化する流れが進んでいます。そうなってくると、中空構造や肉薄といった難易度の高い製品を作り出す技術力が必要になってきます。これまでの鋳造会社の多くは、熟練の職人のさじ加減のようなものに頼ってきましたが、それでは製造業界の流れに対応できなくなってきています。当社では、熟練の職人の技能を機械で測定してデータ化し、マニュアル化することを進めてきました。職人の技を見える形にすることで、若い職人でも正確に製品を作ることができるようになります。
また、安全面でも衛生面でも働きやすい職場でないと良い仕事ができませんので、クリーンな職場作りにも力を入れてきました。その結果、工場内は防塵マスクをしなくても作業ができる状態になっています。
そして、従業員の資格取得に関しては、会社が費用を全面的に負担していますし、資格を取るごとに給料が上がる仕組みにしています。当社に入って、鋳造というものづくりを楽しいと思える職人が育ってくれることを楽しみにしています。
【本社】
〒135-0015
東京都江東区千石3-1-14
【白河工場】
〒961-0302
福島県白河市東上野出島字笹久保2番地
TEL:0248-34-3971
http://www.kkcast.co.jp/
創業が明治22 年という老舗の鋳造会社です。平成5 年に工場を東京から福島県白河市に移転、総勢約40 人の職人と技術スタッフが鋳物づくりに取り組んでいます。産業用ロボットのアームなどを大量生産してる一方で、オリジナル製品の開発と販売も行っています。
※ 所属・役職・年齢・入社年数は取材当時のものです。