入職促進
ガイドブック

平成28年度

建設業

造園

造園

! …

造園の新たな可能性を模索し
チャレンジ

建設業許可29業種の中で唯一生きものを扱い高い専門性が求められている造園業の仕事。その知識と技の継承、若い人材の育成がもっとも急がれている業種の一つでもある。今、若い技能者たちが自然の持つ力で多彩な場所や空間に潤いを与え、新しい造園の世界に挑戦している。

技能者の紹介

技能者の紹介

株式会社髙橋造園土木
造園技能士

服部はっとり 拓哉たくやさん

(20歳)入社3年目

株式会社髙橋造園土木 造園技能士 服部拓哉(はっとり たくや)さん

出合い

出合い

高校の専攻を生かし
地元で造園の道を選択

もともと奈良県の高校で造園科に在籍。技能検定造園(造園工事作業)3級を取得していましたが、造園業に就く意識はまだありませんでした。きっかけは3年生の冬、出場を予定していた選手の代打として、技能五輪大会に出場したことです。その際、この会社の人たちが僕を見にいらして、何回か面接を重ねて入社を決めました。熱心に誘ってくださったこと、生まれ育った地元であることが決め手でした。この会社は電気や水道など幅広い分野と組んだり、各種のショウやイベント、大会にも積極的に挑戦しています。覚えられることが幅広く、よい職人を目指せる会社です。

最初は朝が早いのがきつかったですが、もう慣れました。年の離れた職人さんたちも親切で優しいですし、いろいろ教えてくれます。木の剪定などをして先輩やお客さんにほめられたり、通りがかりの人に「きれいにしてくれてありがとう」と声を掛けてもらえたときには、やりがいを感じますね。

服部さんの1日のスケジュール

挑戦

挑戦

技能五輪で銀賞受賞
次は後輩を指導して国際大会を目指す

入社してからは、2年続けて技能五輪大会に挑戦しました。毎年10月に行われる大会の3カ月前に課題が発表されて、特訓をします。業務にも融通を利かせてもらい、会社が専用練習場をつくって全面的にサポートしてくれました。1回目は入賞できませんでしたが、2回目の山形の全国大会で銀賞を取ることができました。国際大会に出られるのは金賞だけなので悔しさもあります。でも、皆さんの協力や応援もうれしかったですし、会社に対する感謝の気持ちもすごく膨らんで、今までにない喜びを感じました。

2016年技能五輪全国大会入賞の大会風景
2016年技能五輪全国大会入賞の大会風景

目標

目標

将来的には
高い技術を持つ本当の職人に

この仕事の面白さは、たとえば枯れた木があっても抜いてそれを肥料にして再生利用したり、いろいろな発見があるところ。草木が元気に育つのも楽しいし、体を動かすことも健康的で自分に向いています。個人的には高い木に登って剪定しているときが一番好きです。この会社はゼネコンとの仕事が多いので、現場では何十人もの下請けさんをまとめなければいけないこともあります。だから全体を把握して、時には仕切り役、時には職人として、効率的に動かなくてはいけません。それに施工後の管理もおろそかにはできない。今はまだ勉強途中ですが、これから先輩に学んでどんどん技術を身につけて、最終的には「この人なら任せられる」と言われる職人になりたいです。

目標

先輩から後輩へ

技術を磨いて造園の将来性を感じさせる仕事を

僕は2代目として、大学で造園を学び福岡の会社で修行したあと入社しました。服部くんの高校の造園科先生とは、造園指導をするなど親しくしています。服部くんのことはその先生にも話を聞いていましたし、技能五輪の応援にも行き「この子なら」と思いました。一生懸命ですし、動きが違います。

うちの場合、大勢の下請けさんやゼネコン関係者との仕事が多く、挨拶や人との接し方はとても大事です。それとこれだけは言っておきますが、遠い現場もあるので朝がどうしても早いし、外の作業で暑さ寒さもきつい。それでも緑が好きで造園に魅力を感じたら、ぜひ入職を考えてください。

最近はビルの屋上や壁面などの造園も多く、新しい技術の勉強も必要です。従来型の日本庭園だけでなく、常にチャレンジをしたいと思っています。ショウやイベントの仕掛け、技能五輪大会への参加、そして技能指導も常に行っています。多くの人に業界の将来性を感じさせる仕事をしていきたいですね。

髙橋成善(たかはし なるよし)さん

髙橋たかはし 成善なるよしさん(42歳)

入社21年目

株式会社髙橋造園土木

代表取締役社長 髙橋善和(たかはし よしかず)さん

代表取締役社長

髙橋たかはし 善和よしかずさん

15~16年前から技能大会などには必ず顔を出していますが、若い人が一生懸命励んでいる姿には、いつも感動を覚えます。こうした人たちに造園業の魅力を伝えるべく指導者の育成もしています。我が社は、小規模ながら東京をはじめ全国からの受注が多い。よい仕事をすることが営業になると励んでいます。ぜひ長くこの仕事に携わってくれる人に来てほしいですね。

〒639-0243 奈良県香芝市藤山2-1198-1
TEL:0745-76-5995
http://www.takahashizoen.co.jp/

1985年に大阪で創業。現在の奈良本店以外に、大阪本社、関東事業所がある。関西一圏を中心に公共・民間施設・個人住宅の緑化ガーデンデザインなど造園工事・維持管理、植樹・植生緑化、日本庭園の設計・施工などを幅広く行っている。さらに個人宅のリガーデン、四季通じて庭と緑を管理する「維持管理請負制」なども導入。斬新なデザインや発想で雑誌にも多く取り上げられ、2016年国際バラとガーデニングショウでは最優秀賞を獲得している。また、施工管理技士や技能検定、庭園マイスターなどの資格取得も奨励、日本造園組合連合会を通じて「技能だけでなく人間性も高めていってほしい」と、若手の育成、待遇の改善に取り組み、園芸科学生や入職者の増大に貢献している。

株式会社髙橋造園土木

※ 所属・役職・年齢・入社年数は取材当時のものです。