平成30年度
製造業
家具製作
! …
木のぬくもりがある家具で
人々の暮らしを豊かに
美しい木目が魅力のダイニングテーブルや椅子などは、家具製作技能士の技が生きています。木という自然素材ならではのぬくもりのある家具は、人々の暮らしを豊かにしています。
技能者の紹介
技能者の紹介
株式会社匠工芸
入江 早紀さん
(26歳)入社5年目
入社したきっかけ
入社した
きっかけ
家具づくりをしたくて
家具のまち旭川にやって来た
山口県の高校に通っていた時から家具づくりに興味があったので、プロダクトデザインを学べる大分県の短大に進学しました。その後、就職活動で旭川家具のことを知り、実際に製作している現場を見たいと思って、一人で旭川を訪ねました。メーカーを何社か見学した中で、この会社の環境や、様々な種類の家具を製作している点が気に入って、入社しようと思いました。家具づくりの技能を身に付けられるのがうれしくて、実家から遠い北海道に来ることにも、まったく抵抗ありませんでした。
私の仕事
私の仕事
部品がきれいに加工できたときは、
満足感がある
私はデザインしか学んでこなかったので、機械の使い方は、一から教わりました。今は、薄い板を何枚も重ねてプレスする機械加工を担当しています。はじめのうちは機械の調整が難しかったのですが、プレスした家具の部品がきれいにできたときは、とても満足感があります。
今後の目標
今後の目標
自分でデザインした家具を
自分で作るのが目標
限られた材料が足りなくならないように考えたり、正確に厚みを出したり、決められた時間内に作ったりと、今は技能を身に付けることで精一杯です。家具にはいろいろな形のものがあり、それを作れるようになるための加工技術は、まだまだたくさんあるのです。
ずっと先の目標ですが、自分で企画・デザインした家具を自分の手で製作できたらいいな、と思っています。
先輩からの
メッセージ
我慢して続けていると
ものづくりが楽しくなってくる
当社の社員は地元の人だけでなく、家具製作に興味を持った若者が全国からやって来ています。私も、家具づくりがやりたくて稚内からやってきました。今はリーダーとして、難しい加工は私が担当し、後輩たちには能力に応じた作業を担当させています。その中で、例えば、カーブの形状など、部品にばらつきが出ないようにさせるのですが、自分の感覚でわかっていることを後輩に言葉で伝えることが非常に難しいと感じています。
自分の経験から、後輩たちには、最初の3年は下働きでつらいけれど、そこを通り抜けると、ものづくりが楽しくなってくることを伝えたいです。そのためには、今、自分が何をやっているのか、家具のどの部分を作っているのかを理解しながら仕事をすると、知識も深まりますし、新たな興味もわいてくると思います。素晴らしい先輩たちが大勢いますので、そういった人たちの技術に触れるだけでもたいへん勉強になると思います。
株式会社匠工芸
五感でものづくりができるプロの職人を育てる
私たちの仕事は、木材という一つ一つ違う材料を見極めて、木と対話しながら加工し、お客さんに喜んでもらう製品を作ることです。その中で大事なことは、ただ製品が作れたらいいというものではありません。プロというのは、五感を働かせたものづくりができる人です。目で見るだけではなく、五感を働かせて感じなければなりません。また、ものづくりの世界には、上には上がありますから、プロは、つねに向上心を持ってレベルの高い物を見ていかないといけません。
昔の職人は、先輩の仕事を「見て覚えろ」と言われました。しかし、現代はそれだけではいけないので、会社でいろいろと指導をします。けれども、どんなに会社が手を貸しても、本人が感じなければ成長しません。図面を見て、頭の中で想像を働かせないとものづくりはできません。そういった意味で、当社に入ってきた若者たちは、指導が厳しいと感じるかも知れません。けれども、本人のために、プロの職人を育てるために、当たり前のことをしています。将来、プロの家具職人として独立を志している若者も大歓迎します。
〒071-1571 北海道上川郡東神楽町南1番通24番地
TEL:0166-83-4400
http://www.takumikohgei.com
匠工芸は、国内で有名な家具産地である旭川を代表するメーカーです。高い技能を有する職人が暮らしを楽しく美しくする家具づくりに取り組んでおり、手仕事を大切にしながら創意工夫を続けています。全国から集まる担い手を育成するとともに、技能を習得した従業員の数多くが独立。全国各地で活躍する職人とのネットワークを活用し、共同で商品を開発したり、販路を拡大したりしています。
※ 所属・役職・年齢・入社年数は取材当時のものです。