入職促進
ガイドブック

平成29年度

製造業

金属プレス加工

金属プレス加工

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未来をカタチづくる
金属プレス加工という技術

プレス加工とは、凹と凸の金型の間に、平らな金属の板を挟み圧縮することで素材を曲げ、工業製品をつくりだす技術。主に自動車や新幹線などの部品加工に用いられ、20世紀の工業生産を支えてきました。21世紀の今日では、ロボットや医療機器などの先進技術や、マイクロマシンやバイオ技術といった未来産業に欠かせない技術として注目されています。

技能者の紹介

技能者の紹介

株式会社名取製作所
製造部製造第一グループ

田中たなか 和也かずやさん

(21歳)入社4年目

株式会社名取製作所 製造部製造第一グループ 田中和也(たなか かずや)さん

入社したきっかけ

入社した
きっかけ

わからないことだらけの就活。
家族への相談で道が開けた。

僕が「ものづくり」に興味をもったのは、中学生2年の時。家庭科の授業で、懐中電灯とラジオの機能がついた時計を組み立てたことがきっかけでした。自分でつくったものが、光ったり、音を発したり、時間を刻んだり。今思えば些細なことでしたが、その時は、感動を覚えたんです。

高校は普通科に進学。ものづくりとは、しばらく縁がありませんでした。3年のとき、ようやく就職を考えるようになって、ふと、あの家庭科の授業を思い出したんです。「ものづくりの世界に入ろう」という想いがわいたのは、この時でした。早速、製造業の会社の求人票を4枚選んで持ち帰りましたが、「ものづくり」という観点だけでもらってきた求人票でしたから、自分1人では選びようがありませんでした。このとき家族に相談をしたのですが、福利厚生や待遇面など、自分にはなかった視点からアドバイスをもらえて心強かったです。最後まで悩みましたが、家族も「ここなら大丈夫」と言ってくれた当社を選びました。

田中さんの1日のスケジュール

わたしの仕事

わたしの
仕事

自分のつくった製品が
街中で活躍している。

金属プレス加工には2つの工程があります。厚さの違う鉄やステンレスなどの金属の板を、図面通りの寸法で「切断」する工程。そして、切断した素材を金型で圧縮し、曲げたりねじったりして製品を仕上げる「成形」の工程です。入社後、しばらくは直属の上司がつきっきりで、一つの仕事を教えてくれました。入社4年目になる今は、前工程の切断を任されています。一見、成形の工程より簡単そうですが、つくる製品によって金属の厚さや質が違うため、より高い技能が必要になる仕事です。切断の寸法を間違えると、金型が壊れたり、後工程に影響してしまうため、常に慎重さや繊細さも求められます。そのため日頃の体調管理も欠かせません。

そういった工程を経て完成するのは、車や新幹線のワイパーなどの部品。暮らしへの貢献度は高く、完成品を街中で見かける機会も多くあります。特に車は自分も通勤に使いますから、日々、この仕事が社会に役立っていることを実感しています。それと同時に、もっと良いものをつくっていこうという気持ちになりますね。

わたしの仕事

今後の目標

今後の目標

仕事を楽しむためには
コミュニケーションが重要。

僕の兄は、別の会社で車の部品加工をしています。よく仕事の相談をしますが、同業種だからこそ、アドバイスも的確でわかりやすい。僕には同期がおらず、入社当時は若い社員が多くなかったこともあって、最初は、年齢の離れた先輩方とうまく関係性を築けるか不安もありました。そんな時、兄から教わったのは、「自分から飛び込んで、積極的に話しかけたほうがいい」ということでした。まずは自分の不安や苦手意識をなくすことで、相手の方との距離感が縮まり、いい関係が築けます。すると仕事もどんどん楽しくなります。仕事の悩みは、人間関係が原因になっていることも多いと思います。それは、自らつくった壁にぶち当たっているようなものですね。自分を変えることで、思いのほかすんなりと乗り越えられることばかりでした。また先輩方も自分に話題を合わせてくれたり、何かと気を配ってくださいます。

考えてみれば、職場は家みたいなものかもしれません。仕事の仲間は、1日の大半を一緒に過ごす家族のようなもの。コミュニケーションがとれてないと、うまくいかないのは当たり前です。だからこそ、「おはようございます」や「ありがとうございます」などの、自分から発する気持ちのいい挨拶が大事だったりします。

私の目標は「いくつになっても、ずっと楽しく働き続ける」ことです。そのためにも自分の会社への誇り、仕事に対する責任や真摯に取り組む姿勢をもって、あったかい職場づくりに貢献できるようになりたいですね。

先輩からの
メッセージ

頭で覚えることと、体で覚えることが大切。

機械操作にはもちろんマニュアルがあります。当社では機械に目印をつけたり、操作の“見える化”によって、経験が浅くても仕事が覚えやすくなるような取組をしています。しかし、製造業の世界には、文書や口頭では伝えきれない技や感覚があるのも確かです。特に機械の調子は、体感してみないとわからない。振動や音を自分の体で感じながら操作することで、機械と息を合わせていくというような感覚でしょうか。それを体で覚えることによって製品の出来具合がわかり、また、不具合なども感知することができるようになります。操作の“見える化”によって、知識として操作方法を習得し、同時に職人としての感覚も養うことができる。これはなかなか説明するのが難しい部分なので、まずは職場見学に来て、体感してくれると嬉しいです。

生産管理・製造部長 矢野和広さん

矢野 和広さん(45歳)

生産管理・製造部長
入社19年目

株式会社名取製作所

代表取締役 名取秀幸さん

代表取締役

名取 秀幸さん(48歳)

工業製品の他にもパラリンピック・アスリート向けスポーツ用義肢を製作しています。激しい運動によって生じる強い衝撃にも耐えうるアダプター。この製造技術が評価され、経済産業省の「はばたく中小企業・小規模事業者300社」に選出されました。カスタムメイドの義足で活躍したパラリンピック選手が、わざわざお礼を言いにきてくれることも。社員にとっては、自分たちの「ものづくり」がどう社会に貢献しているのか、知ってもらうよい機会になっています。

〒362-0034 埼玉県上尾市愛宕3-15-14
TEL 048-774-1153
http://www.natori-mnf.co.jp

名取製作所は、昭和24年の創業以来、プレス加工を中心としたものづくりを続け、その柔軟な提案力、繊細な加工技術と品質管理で、高い評価を得てきました。特に、加工が難しいチタンを、プレス・切削・溶接といった技術を駆使した製品づくりには定評があります。また、ひねり曲げ加工というプレス技術を用いたワイパー生産には40年以上の実績も。自動車はもちろん、新幹線に用いられるなど国内トップシェアを誇っています。

株式会社名取製作所
(写真は久喜工場)

※ 所属・役職・年齢・入社年数は取材当時のものです。