平成30年度
製造業
婦人子供服製造
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平らな生地から生活を彩る
素敵な洋服を作り出す
洋服の立体的なデザインをもとに、婦人服や子供服を作り上げるのが婦人子供服製造。平らな生地を縫い合わせて、立体的に美しく完成させるには、婦人子供服製造技能士の優れた技能が生かされています。
技能者の紹介
技能者の紹介
岩手モリヤ株式会社
鹿糠 恵里さん
(27歳)入社9年目
入社したきっかけ
入社した
きっかけ
縫製の国家検定により評価されることに
魅力を感じた
北いわて地域は、縫製が基幹産業で、私も以前から縫製の仕事に興味をもっていました。高校3年のとき、地元での就職先を探していたところ、いくつかの縫製会社から求人があったのですが、その中で、人材育成に熱心で、国家検定に合格している人が多い会社だと知って、魅力を感じ、入社を決めました。
私の仕事
私の仕事
自分で洋服を1着縫えるようになった
喜びがある
入社後、先輩に教わりながらミシン掛けやアイロン掛けなど、縫製の仕事を覚えてきました。社員は、それぞれが洋服のパーツを分担して縫っています。3年目に技能検定2級を受けた時、実技試験でワンピースを完成させなければならなかったのですが、ふだんは、パーツしか縫っていなかったので、とても難しく感じました。それでも昨年には、1級の検定に合格するまでになりました。自分で洋服を1着縫えるようになったのは、この仕事をしていていちばんうれしかったことです。
今後の目標
今後の目標
自分の仕事をしながら
後輩に教えられるようになりたい
今までずっと、仕事を覚えるのに一生懸命でした。つらい時に先輩から「慣れれば大丈夫」と言われながら頑張ってきましたが、今は続けてきて良かったと感じています。最近は、後輩に教える立場になりました。自分の仕事を進めながら教える時間を作るのは、余裕がなくて、とても苦労しています。今後は、自分も成長しながら、後輩にも教えられるようになりたいと思っています。
先輩からの
メッセージ
洋服に興味を持って
仕事を前向きに覚えてほしい
私が子供の頃は、現在のように世の中にいろいろな洋服はありませんでしたが、同世代の子はみんなファッションに興味を持っていて、テレビや雑誌で見る新しいデザインの洋服にワクワクしていました。私も「自分で洋服を作れたらいいな」という思いがあって、この会社に入社しました。新入社員の頃、仕事を早く覚えたいという気持ちがあったので、先輩に何でも質問していました。
今は、いろいろな洋服があり、お金さえ出せば、気に入った洋服が簡単に手に入り、インターネットでは洋服に関する情報があふれている時代で、洋服作りを勉強するにはとても良い環境だと思います。若い社員たちにはモチベーションを強くもって、先輩社員にどんどん質問してほしいと思います。洋服を作るという仕事は、楽しい仕事です。自分が選んだ仕事に熱い想いを持って、より高いレベルを目指してもらいたいと思っています。
岩手モリヤ株式会社
地元の女性たちが生き生きと働けるように
当社は、東京にあった東京本社より誘致企業にて進出し、昭和63年に岩手モリヤ株式会社として現地法人化した会社です。現地法人化した理由の一つには、本当は地元で暮らしたいと思っていても、働く場所がないという理由で、都会に出てしまう女性が多いと聞いていたからです。地元に職場があると、結婚して子どもが生まれたとしても、祖父母に預けて仕事を続けることができます。そのほうが、本人にとっても幸せですし、会社にとっても大きな戦力になります。入社した社員には、国家検定に合格することを応援し、資格手当も支給しています。
北いわては、技術力の高い多様な縫製業が集積していることから、「アパレルの聖地」と呼ばれています。そして、当社を含めた振興会16社は平成28年度に、北いわての縫製業のイメージアップと人材育成を図るため、「北いわて仕立て屋女子会」を結成しました。研修会やファッションショーなどを開催する中で、数名の当社社員が地元の新聞にその活躍を取り上げられています。今後も、地元の女性たちが生き生きと働けるように、様々な活動を行って盛り上げていきたいと考えています。
〒028-0001 岩手県久慈市夏井町字大崎13-3-3
TEL:0194-53-5327
http://www.ginga.or.jp/iwatemoriya/
岩手モリヤは、婦人用のジャケット、スーツ、ウールコートなどの高級既製服を製造しています。常に「メイド・イン・ジャパン」を意識した高品質・高付加価値のものづくりを実践し、生地の織り、編み、縫製加工まで、全てを国内で行っていることを証明する「J ∞クオリティー」認証を取得しています。また、AIとIoTを活用することで、縫製前工程の効率化と延反・裁断計画の最適化を実現し、生産性向上にも成功しています。
※ 所属・役職・年齢・入社年数は取材当時のものです。