平成30年度
製造業
みそ製造
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伝統のみそ作りで
日本人の毎日の食卓を支える
みそは、大豆、米(麦)、食塩を用いた発酵食品で、古くから伝わる和食に欠かせない調味料です。優れた技能を身に付けたみそ製造技能士が日本人になじみ深いみそ作りを通して、私たちの毎日の食卓を支えています。
技能者の紹介
技能者の紹介
仙台味噌醤油株式会社
増子 暢さん
(30歳)入社6年目
入社したきっかけ
入社した
きっかけ
ふるさとの味
仙台みその製造に興味を持った
学校を卒業した後、スーパーの総菜売り場でアルバイトをしていた時に、食品製造の仕事に興味を持ちました。正社員として働ける職場を探したところ、地元仙台の伝統食品を製造しているこの会社の求人を見つけ、「ふるさとの味作りをやってみよう」と思い入社を決めました。
私の仕事
私の仕事
いろいろ工夫した結果
良質な麹ができるとうれしい
みそは、蒸した大豆と米麹、塩を一定の割合で配合して、発酵させて作ります。私は、お米を蒸気で蒸した後、麹菌をふりかけて米麹を作る工程を担当しています。機械の状態をチェックしたり、麹室の温度管理をしたりするのですが、麹菌は生き物ですので、なかなか人間の思ったように繁殖しないのです。上質な米麹を作るためには、使うお米の状態やその日の気温などによって微妙に機械を調整しなければなりせん。いろいろと工夫をした結果、良質な米麹ができ上がった時は、とてもうれしく思います。
今後の目標
今後の目標
周りに助けられてきた分、
後輩を助けられるようになりたい
職場では、自分がいちばん経験が浅いので、周囲の人に助けられながら仕事をしてきました。2級みそ製造技能検定を受検する時は、担当している作業工程以外の仕事、例えば大豆の知識などは不足していたので、先輩から教えてもらい、無事に合格することができました。
近い目標は1級に合格することですが、いずれは自分も後輩たちを助けられるようになりたいと思っています。
先輩からの
メッセージ
伝統の技術を引き継いで
一流のみそ職人になってほしい
現在、私は仕込みから発酵、出荷までのみそ製造全般を管理しています。みそは、大豆・米麹・塩から作りますが、仙台みその伝統製法を守って、同じ材料を同じ配合で仕込んでも、同じ味のみそができるわけではありません。みその善し悪しを左右するのは米麹を作る、大豆を蒸すなどの仕込みの前段階で、そこがみそ作りの奥深さであり、おもしろいところです。
この日本人の食卓に欠かすことのできないみそ作りの世界の奥深さとおもしろさを、みそ製造を志す人はもちろん、これから食品製造関係の企業に就職しようと思っている人に教えていくことができればと思っています。
できれば、みそについて全く知識を持たない人にも、お話しする機会があればと思っています。そして、当社の後輩たちには、先輩から受け継いだ仙台みそ400年の伝統の技術・技能をしっかり引き継いで、おいしいみそを作れる一流の職人になってほしいと思います。
仙台味噌醤油株式会社
みそ作りの伝統を守りながらも
新しい時代への対応が重要
2019年に創業100周年を迎えた当社は、長い歴史のある仙台みその伝統を守って、みそを製造している会社です。製品を全国に出荷しているほか、大手のフードチェーンとの共同企画にも積極的に取り組んでいます。
みそ作りと聞くと力仕事のように思われる方もいらっしゃいますが、昔のようにすべて職人の手仕事で製造しているわけではなく、ほとんどの工程に機械設備が導入されています。かつて重労働であった部分は、機械設備によって軽減されていますし、今後もさらに進んでいくことでしょう。そうした製造環境に変化があっても、伝統を受け継いだ職人の技能がなくては、仙台みその上質な味を作り出すことができません。
これまで日本人の食として愛され続けてきたみそは、今後も愛され続けていくことでしょう。これからは、伝統を守りながらも新しい時代に対応していくことが重要になっていきますので、前向きで誠実に取り組んでくださる方、知識を吸収する姿勢を持った方が、みそ作りの世界に入って来ていただけるとありがたいと思います。
〒984-0825 宮城県仙台市若林区古城1-5-1
TEL:022-286-3151
http://www.sendaimiso.co.jp/
辛みが強く風味が高いのが特徴である「仙台みそ」の製造は、戦国武将伊達政宗の時代に始まり、全国的にその味が知られるようになりました。仙台味噌醤油株式会社では、その当時に作られた「味噌屋仲間掟留帳」の基準を遵守するとともに、職人が味にこだわって仙台みその醸造生産に励み、政宗公の頃から受け継がれた伝統と風格の味を守っています。
※ 所属・役職・年齢・入社年数は取材当時のものです。