入職促進
ガイドブック

平成29年度

製造業

金属熱処理

金属熱処理

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金属の性質を変え
製品の機能を高める技術がある

金属熱処理とは、金属材料を加熱し冷却することで、製品の形を変えることなく、金属の強さ、硬さ、粘り、耐衝撃性、耐摩耗性、耐腐食性などの性質をコントロールする技術です。日用品から自動車、飛行機の部品まで、用途に応じて様々な処理を施します。

技能者の紹介

技能者の紹介

株式会社メタルヒート
製造部製造一課

加藤かとう 雄大ゆうたさん

(26歳)入社4年目

株式会社メタルヒート 製造部製造一課 加藤雄大(かとう ゆうた)さん

入社したきっかけ

入社した
きっかけ

金属熱処理という技術に
魅せられた。

学校では電気工学を学んでいたため、金属熱処理に関する知識は、持ち合わせていませんでした。就活では専攻内容にとらわれず、広い視野で会社を探して出会ったのが当社でした。自分が通っていた大学が、社長の出身校という縁もあって、メタルヒートの求人情報が目に留まったんです。未知の領域でしたが、会社見学に参加して、熱を加えるだけで金属の性質が変わるという「熱処理技術」の不思議さや奥深さを知りました。この技術が身につけば、金属材料を自在に操り、自分の思い通りの性質にすることができる。その技術の可能性に惹かれて、当社への入社を決めました。

加藤さんの1日のスケジュール

わたしの仕事

わたしの
仕事

設備の生産性は
技術者の力量次第。

金属熱処理は、工業製品となる金属材料を加熱し冷却することにより、製品の形を変えることなく、強さや硬さ、粘りなどの性質を変える技術です。たとえば鋼(はがね)は、加熱後、急速に冷却することで硬さが増します。このようにそれぞれの金属の特性にあった熱処理を施し、求められる品質へと高めていくことが私たちの仕事です。熱処理を施す際は、真空熱処理炉を使うのですが、製品の配置が少しでもずれれば、加熱の過程で素材同士がくっついたり、変形して使い物にならなくなってしまいます。また、製品の用途によって、どの程度の硬度や強度が必要なのか、求められる性質はさまざま。その都度、条件も異なります。

当社では量産品に加え、お客様からオーダーをいただく受注生産もあり、試作品などの処理も行うため、複雑な設定作業など、覚えなければならない設備の操作が多くあります。入社4年目の現在、私は7台の設備を扱っています。一人で複数の設備を動かすため、温度設定や製品の配置など、段取りの良し悪しがそのまま生産性に直結します。私が7台の設備を扱えるようになったのはごく最近。まだまだ改善の余地がありますが、効率よく稼働させることができた時は、うれしくて充実感がありますね。

わたしの仕事

今後の目標

今後の目標

アドバイスを書きためたメモが
教科書代わり。

今はまだ、熱処理の知識の他、設備の操作、段取り、故障時の対処、安全確保などの経験を深めている真っ最中。ようやく仕事の全体像が見えてきたところです。先輩の動きに合わせて、あうんの呼吸で連携がとれた時は、達成感があります。作業中は、それぞれ仕事に集中しているので、真剣そのものですが、仕事に区切りがついたタイミングで先輩に積極的に話しかけ、コミュニケーションをとっています。その日の仕事内容の報告や相談はもちろん、設備の扱い方など具体的なアドバイスをもらい、技術の向上に努めています。先輩にアドバイスや指示を受けるときは、常にメモをとるのですが、これが今や膨大な量になりました。教えてもらったことをしっかり頭に叩き込むまでは、そのメモが私の教科書代わりです。

金属熱処理の技能は、奥が深くマニュアル化が非常に難しいと感じています。その都度、先輩方に教えてもらったり、働く様子を間近で見て、学ばせてもらう日々。少しでも早く先輩方に追いつくためにも、貪欲(どんよく)に技能を高めていきたいと思っています。

今後の目標

先輩からの
メッセージ

技能は、一つひとつの経験の積み重ねで培われている。

金属熱処理は、製品を熱処理炉の中に入れてしまうと、仕上がりまで、過程が何も見えません。処理が終わって、製品を取り出した時にどのような状態になっているのか、経験知で推測しながら作業を進めることになります。問題は、この経験知を言葉で伝えることが非常に難しい点です。現在、社内で技能伝承委員会を立ち上げ、金属熱処理の理論やノウハウを体系立てて伝える方法を模索しているところです。

経験を積むことは、失敗を重ねることでもあります。時には、先輩から叱られることもあるでしょう。技能は、一つひとつの積み重ねによって培われていきます。くじけず、自分自身を高める強さを養うことも大切です。

製造部製造一課課長 伊藤隆浩さん

伊藤 隆浩さん(44歳)

製造部製造一課課長
入社22年目

株式会社メタルヒート

代表取締役 原敏城さん

代表取締役

 敏城さん(54歳)

当社では社員の育成を金属熱処理の基礎知識習得のみならず、「社会人としてどう成長していくか」をテーマに実施しております。また、社員の評価に関しては明確な基準を設けることで、偏りのない公正な判断をすることができています。

採用に際しては、会社の仕事に関する厳しさも含めて、全ての情報を開示し、複数回にわたる面接を行っています。学生の方には当社の理念や働き方などを、十分に理解していただきたいからです。人材育成は、一方通行の選考ではなく、お互いに理念を共有した信頼できる関係性を築いたうえで始まるのだと考えています。

〒446-0007 愛知県安城市東栄町5-3-6
TEL 0566-98-2501
http://www.metalheat.co.jp

株式会社メタルヒートは、昭和48年の設立以来、金属熱処理において数々の実績を残してきました。洗浄から熱処理までの全工程を真空状態で処理する設備を21基保有し、優れた処理技術で信頼を得ています。会社の器を大きくすることに伴い、人も組織も成長し育てていく経営思想に基づいて、国内においては能登への工場進出、海外においてはタイでの現地生産など、国内外へ積極的に事業を展開しめざましい成長を遂げています。

株式会社メタルヒート

※ 所属・役職・年齢・入社年数は取材当時のものです。