令和3年度
建設業
ガラス施工
! …
一枚一枚、魂を込めて
街の彩りを形にする職人技
建物のさまざまな場所で使用されるガラスは、「ガラス施工」を担う職人たちの手により、取り付けられます。窓の形状や大小によっても、施工できるガラスの種類や厚み、大きさなどは多種多彩であり、現場に応じてピタッとはめ込む「職人技」が要求される仕事です。
技能者の紹介
技能者の紹介
株式会社 西日本硝子センター
峰 菖竜さん
23歳 入社3年目
入社したきっかけ
入社した
きっかけ
「ものづくり」や「建築」に
興味を持っていました
地元、福岡県の通信制高校を卒業した後、コンビニのアルバイトなど職を転々としていました。とあるきっかけから西日本硝子センターの方と出会い、「うちの会社で働かない?」と声をかけてもらったことが入社を決めたきっかけです。大工だった祖父からイスや棚などのつくり方を教えてもらっていたことがあり、漠然と「ものづくり」や「建築」に興味を持っていました。だから誘われたときは、建築に関わる仕事だと知り、非常に興奮しました。ただ、入社時は「ガラス施工」がどんな仕事なのか、まったく知りませんでした。もちろん、ガラスについての知識もなく、仕事に携わりながら一つひとつ覚えていきました。正直、最初は何も知らないので、仕事に対する不安はなかったです。だんだんと仕事がわかり始めると、どれだけ責任ある仕事なのかを実感するようになり、「この仕事は自分に務まるのだろうか」と不安にもなりました。一方で、仕事を任せてもらえることが嬉しくて、頑張ろうと思える自分もいました。
私の仕事
私の仕事
安全にガラスを取り付ける
それが私の仕事です
ガラス施工の仕事は、大きく3つのパートに分かれます。1つ目は建物の図面から必要なガラスの寸法を計測し、メーカーに発注する仕事です。寸法を間違えると窓枠にはめ込めないため、複数人でチェックして、手配します。2つ目はガラスの運搬です。例えばビルの場合、施工する階まで人力でガラスを持ち運ぶこともありますし、大きいものになると一枚で数百kgになるため、リフト等で吊り上げます。いずれにしろ一人ではできないので、チームで連携しながら、ガラスを傷つけないように割れないように、慎重に運び込みます。最後が、実際にガラスをはめ込む作業です。窓枠からサッシを取り外し、ガラスを入れてもう一度、元どおりにはめ込みます。取り付け方は、サッシの形状や施工現場の状況によって異なりますので、あらかじめ現場をしっかり下見して、施工当日のシミュレーションを行っておくことが大切です。少しの不注意でガラスは割れてしまいますし、重量物なので万が一に落下させてしまうと大きな事故につながってしまうため、細心の注意を払って、現場では作業しなければなりません。
今後の目標
今後の目標
職人たちを取りまとめる、
現場の「指揮官」になりたい
気を張る仕事なので大変なことも多いですが、建物にガラスがバシっと入った状態を眺めたときは、いつも誇らしい気持ちになります。「新品のガラスって、ピカピカに透き通っていて美しいんですよね」、この達成感とやりがいは、何ものにも変えられませんし、私が職人を続けている理由かもしれません。
いままでで特に印象に残っている現場は、佐賀県のホテルを施工したときです。見たこともないほどの大きなガラスや丸い変形ガラスを導入した建物で、先輩たちと一緒に数カ月をかけて施工しました。完成して施主様が喜ぶ姿をみたときは、「この仕事をやっていてよかった」と感じました。ガラス施工を始めてまだ2年弱。先輩たちにはお世話になりっぱなしで、叱られることも多く、その度に少し凹んでしまう自分ですが(笑)、いずれは会社を代表して現場で職人たちの「指揮官」として立ち回れるようになりたいですね。ガラス施工の仕事に就くまでは、何をやっても長続きしなかった私ですが、いまは自分が選んだこの道をどこまでも極めてみたいと思っています。
先輩からの
メッセージ
チームワークを深めながら
一緒に達成感のある仕事をしましょう
中学校を卒業してから、ガラス施工の職人一筋。西日本硝子センターで技能を磨き続けてきました。随分と長くこの仕事に携わってきましたが、いまでも飽きることはありません。期間を要する建物では、完成までに数カ月かかる現場もあります。数百枚を超える数のガラスを無事に施工できたときは、ホッと安心すると同時に大きな達成感に包まれます。想像していただくとわかる通り、ガラスは扱いを間違えると大変危険なものですし、最悪の場合、大惨事を招いてしまいます。だからこそ、若手たちに伝えているのは、「段取りが最も大切」だということ。搬入前に現場をしっかり下見して、「どこに危険なポイントがありそうか」「どうすれば容易に運び込めるか」、先回りしてイメージすることが必須です。しかし、どれだけシミュレーションしても、本番では予想外は起こるものです。そうしたときはチームワークを発揮し、全員が声かけし合うことで、安全に運び込めるようにします。現場に入れば、必要以上に先輩・後輩を意識する必要はありません。安全に業務を遂行するため、一人ひとりが考え、行動することが求められます。そうした意味では、まずは元気があって、人と関わるのが好きな人には、この仕事に適性があるのではと思います。
株式会社 西日本硝子センター
自ら考える力を養い、自立した職人を育てていきたい
大きな窓を構えた建物、風変わりな形の建物、夏は涼しく冬は暖かい建物……。建築の進化はガラスの進化があってこそです。「断熱・遮熱・結露防止」、「より美しくより快適に」、暮らしの中に私たち仕事は存在するのです。時代は変わっても、職人仕事の面白さはスキルが身につくことに他なりません。新たな建物を仕上げるたびに、その経験が職人の知見となっていきます。自分の腕一本で人生を切り開くその姿に、憧れる人も多いのではないでしょうか。だからこそ大切なのは、まずは「自分で考える力」。わからない点は先輩に聞いてしまえば早いのですが、それでは自身の力になりません。まずは、頭を使って自分で考えてみることです。その積み重ねが「自立した職人」を育てます。その上での質問は大歓迎。当社では、社長である私の机を入口近くに配置し、声かけしやすい環境を整えています。一人前になるまでサポートしますので、一緒に頑張りましょう。
〒811-1321
福岡県福岡市南区柳瀬1-7-20
TEL:092-501-8880
西日本硝子センターは、福岡を拠点に北部九州のガラス工事を請け負う施工会社です。昭和44年の創業以来、大手ゼネコンとの取引で事業を拡大してきました。官公庁や駅舎、商業施設、ホテルなど、大規模な建物を中心に、地域のランドマークになるような大規模な建築物へのガラス施工を得意としています。
- 所属・役職・年齢・入社年数は取材当時のものです。
- 撮影用にマスクをはずした写真が掲載されておりますが、ソーシャルディスタンスを確保するなど取材は新型コロナウィルス感染症対策を講じた上で撮影しています。