入職促進
ガイドブック

平成29年度

建設業

建築大工

建築大工

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磨いた腕を発揮して
理想の暮らしを叶えていく

古くから受け継がれてきた伝統の技を発揮して、一軒の家をつくりあげる。建築大工は、木の個性を見極め、木材選びから空間づくりまでを手がけるプロフェッショナルです。自らの手でつくる空間を通して、人々の理想の暮らしを実現しています。

技能者の紹介

技能者の紹介

有限会社杢創舎

安保あぼ あつしさん

(20歳)入社1年目

有限会社杢創舎 安保惇(あぼ あつし)さん

入社したきっかけ

入社した
きっかけ

自らの手で、新たな空間をつくりだす。
そんな大工の叔父に憧れていた。

大工の仕事に就こうと思ったのは、小学生の時でした。大工をやっていた叔父が、僕の部屋をリフォームしてくれることになり、その仕事を間近で見たことがきっかけです。材料と道具を持ち込んで、あっという間に新しい部屋をつくりあげるのを見ていて、すごいなぁ、カッコいいなぁと思いました。

その影響から高校は建築科に進み、卒業後に2年間、職業訓練校で建築大工について学びました。部屋を手づくりしてくれた叔父への憧れもあり、工場で機械加工した木材を使った家づくりよりも、1本1本の木材を手で削り出して組み上げていく、伝統的な工法に興味を持ちました。会社を選ぶなかで、地元産の木を使った家づくりを大切にしている杢創舎(もくそうしゃ)に共感し、入社を決めました。

安保さんの1日のスケジュール

わたしの仕事

わたしの
仕事

プロの世界は
想像のはるか先にあった。

現在は、「刻み加工」という、墨で付けられた印に沿って木材を整えていく仕事をしています。刻み加工は学校でも教わりましたが、それだけでは、職人の世界で通用しないことを身にしみて感じました。授業では、決められた寸法通りに加工することが第一でした。仕事ではさらに、現場で組みやすくするための微調整や、見て美しい仕上げをすることが求められます。特に、それぞれの木材を組み合わせる部分は、きつすぎると現場での取り外しに手間がかかり、ゆるすぎるとしっかり組めません。その都度、先輩たちが熱心に指導してくれるのですが、頭では理解ができても、自分の腕で再現できない。もどかしさと同時に、「木の加工は一度失敗してしまうと元に戻せない」というプレッシャーを感じていましたね。自分が木くずだらけになって奮闘している横で、先輩たちが、木の個性を見極めて、手際よく削っていく。そんな姿を見ると、「早くこんな職人になりたい」と憧れてしまいます。

わたしの仕事

今後の目標

今後の目標

イチから家を建てられる
大工になりたい。

まずは刻み加工で一人前になることが目標です。杢創舎では、入社してすぐ、刻みを担当させてもらえます。早いうちから、家の構造を支える木材を加工できるのは幸せなこと。その期待に応えて、地道に腕を磨いて、できることを増やしていきたいです。

もう一つの目標は、技能五輪全国大会 ※で入賞することです。訓練校時代に続いて2回目の出場が決まったので、日々練習を重ねています。仕事終わりに夜遅くまで練習していると、先輩がふらっと立ち寄って指導してくれたり、大きな支えになっています。

仕事や練習が終わったあとには、工房の隣にある「イタクラ」と呼んでいる共有スペースで、みんなでお酒を飲んだり、工房の周りで採れる旬の食材を囲んだりすることもあります。自然に囲まれたこの場所は、仕事をするにも、息抜きをするにも、とても居心地がいいんです。

この環境で、一人前を目指して仕事の幅を広げ、腕を磨いていく。そうやって、イチから家をつくりあげることができる、叔父のような大工になりたいです。

※技能五輪全国大会 :原則23歳以下(一部職種を除く)青年技能者の技能レベルの日本一を決める競技大会。平成29年度は42の職種に応じた種目が開催された。

今後の目標

先輩からの
メッセージ

伝統の家づくりを、受け継いでいく。

私は現在、家の骨組みにどういった木材を使うかを決め、それぞれを刻む位置に印をつける「墨付け」を担当しています。この仕事には、家全体の木組みをイメージして、木の個性を活かすことが重要。今でこそ、後輩に指導することも増えましたが、当初は安保くんと同じようなもどかしさを感じていました。成長ができたのは、先輩たちが技能をしっかりと受け継いでくれたからこそ。大工の技を伝承するには、教えを素直に吸収しようという心構えと、「背中から学べ」だけではない育て方が大切だと感じました。だからこそ、後輩たちとよく話すことや、理解度に応じて教えることを大切にしています。私たちの世代が伝統をしっかりと受け継ぎ、後世に残していきます。

大工 大和田洋平さん

大和田 洋平さん(27歳)

大工
入社9年目

有限会社杢創舎(もくそうしゃ)

代表取締役 澤口泰俊さん

代表取締役

澤口 泰俊さん(56歳)

当社に入社する人たちの多くは、早く木に触れる仕事をしたいという意気を持って来てくれます。その気持ちに応えたいという想いから、入社後はすぐに、刻み加工の仕事に携わってもらっているんです。そのなかで、一人前の大工になるための技術や心構えを、じっくり教えていきますよ。どの先輩も、自分が身につけた技や経験を、若い人たちに伝えることに真剣。自然に囲まれた環境での家づくりに興味がある方には、ぜひ挑戦していただきたいです。

〒028-4125 岩手県盛岡市好摩字芋田向85-20
TEL 019-601-5192
http://www.mokusousya.com

地元岩手の無垢材と伝統の技術・技能を活かしつつ、現代の生活になじむ家を手がける杢創舎。無垢材で仕上げる床や壁に合わせて、和紙や塗り壁などの柔らかい印象の素材を使い、明るく風通しの良い百年住宅を提供しています。丸太の仕入れから、基礎工事、建具づくりまで、ほぼすべての工程を自社の職人が担当。時には製材も手がけ、施主のあらゆる要望を叶える家づくりを得意としています。

有限会社杢創舎

※ 所属・役職・年齢・入社年数は取材当時のものです。